2012年入試の受験者数はどうなるか [中学受験]
森上教育研究所では、公立中高一貫校や新規開校の私立中学校の受験者数を除いた「従来の国立私立中高一貫校」の主となる入試日(午後入試を除く各校の最初の入試日)の受験者数推移で中学受験市場を分析し、2012(平成24)年中学入試の予測をシミュレーションしてみた。
【グラフ1 首都圏 受験者数推移 学校種類別】
グラフ1で2006(平成18)年以降の公立中高一貫校は、全体の受験者数にどれだけ影響を与えたか調べてみる。受験者数全体では、2006年~2009(平成21)年までは増加しているが、増加の原因は公立中高一貫校の受験者数で、「従来の国立私立中高一貫校」の受験者数はほぼ横ばいとなっている。2009年以降は不況の影響で、「従来の国立私立中高一貫校」の受験者数は減少したが、公立中高一貫校の受験者数は増加した。
【グラフ2 公立中高一貫校や新規開校中高一貫校を除いた「従来の国立私立中高一貫校」の受験者数】
グラフ2では、公立中高一貫校や新規開校中高一貫校を除いた「従来の国立私立中高一貫校」の2012年受験者数を予測した。小6人口の影響も考慮しない場合は、8.1%の減少の8万2,549名(小6人口で修正すると7.6%の減少の7万8,484名)となる。
リーマンショック当時の4年生が6年生となって、その影響を受けて受験者数が激減する可能性が高い。中学受験では4年生の入塾割合が最も大きく、2011(平成23)年の中学入試よりも、さらに受験者数が減少することが予想される。つまり、志望校が入りやすくなり、2012年入試は、受験生にとっては自分の実力よりも上位の学校が狙えるチャンスとなる可能性がある。
中学入試全体としては、2012年入試の受験者数が10%程度減少するということは、入試が易しくなることに間違いはないと思う。しかし、受験生・保護者にとって、志望校が入りやすくなるという期待で気が緩んでしまえば、入りやすくなった学校でも受験に失敗する可能性はあるので注意すべきだ。