2011年度入試で何が問われたか<社会>

■今後の対応・対策

最後に、これからの対応・対策について。
まずは基礎・基本の徹底を図ってください。入試では、難しい問題は他の受験生にとっても難しい問題なので、それで差はつきません。基本問題を絶対に落とさないことが大切です。
基本という意味では、小学校の授業・教科書も重要です。今年度の4月から、新学習指導要領による教科書が使用されるようになり、従来の教科書の約1.3倍の学習量になりました。教科書の精読はたいへん有効です。入試問題は学校の教科書からも出題されています。


<教科書からの出題の例>開成 大問1-B 問2

聖武天皇と都の遷移について説明した文章の空欄を埋める問題。

この問題は、教科書に地図と共に載っている内容です。教科書の資料・写真・図版などを丁寧にチェックしておきましょう。

また、社会は正確に文章や資料を読む力、読み取ったものを表現する力が必要です。読解力と表現力を身に付けましょう。

そして、日頃から「社会科のアンテナ」を高く張ることが大切です。最近では、小学生新聞、小学生向けの週刊誌や月刊誌などが数多く刊行されています。その中からお子さまの興味に合うものを選んで購読すると、社会に興味を持つよいきっかけになるかもしれません。


プロフィール


早川明夫

社会科入試問題研究の第一人者。大学付属中高の教頭を経て、文教大学で社会科の教員養成にあたった。現在、文教大学地域連携センター講師。主な著書に『応用自在』『考える社会科地図』『総合資料日本史』『地図っておもしろい!』(監修・執筆)ほか多数。『ジュニアエラ』の総監修者。

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