身近な「消費税」から税金について考える
今回取り上げるテーマは「消費税」です。
税金は、国民と政治とをつなぐ大切なしくみですが、子どもにとっては難しく、親しみにくいものです。
その点、消費税は、子どもたちにとって最も身近な税金であり、また、政策の争点としてテレビなどで取り上げられることも少なくありません。
そのような消費税を入り口に、税金について考えてみましょう。
クイズde基礎知識
時事問題を学ぶきっかけになる題材をクイズ形式でご紹介します。基本情報の整理に、親子で時事問題について話題にするきっかけに、適性検査対策に、ご活用ください。
日本の消費税の特徴は? 世界の国の消費税は?
Q1
日本で消費税法が成立したのはいつ、誰が総理大臣の時?
A. 1988年、竹下登 総理大臣の時
B. 1994年、細川護煕 総理大臣の時
C. 1997年、橋本龍太郎 総理大臣の時
A1 正解は 「A. 1988年、竹下登 総理大臣の時」 です。
1988年、竹下総理の時に消費税法が成立し、1989年4月から施行されました。その時の税率は3%です。1994年、細川総理の時に、消費税を廃止して税率7%の国民福祉税を導入することが提案されましたが、世論の猛反対を受けて実現しませんでした。その後、村山総理の時に、地方消費税を合わせて5%に上げることが決まり、1997年4月、橋本総理の時に実施されています。
Q2
日本の税金のしくみについて述べた文のうち、正しいのはどれ?
A. 消費税は、収入によって負担する率が変わる
B. 消費税は、「直接税」である
C. お酒やたばこには高い税金がかけられている
A2 正解は 「C. お酒やたばこには高い税金がかけられている」 です。
税金は、納税者が直接納める直接税と、事業者などを通して納める間接税とに分けられます。消費税は間接税にあたります。所得税などは収入によって税率が変わりますが、消費税は収入が違っても税率は同じです。たばこは、日本で最も税負担の大きい物品のひとつで、たばこの価格の約60%が税金として納められ、国や地方の貴重な収入源となっています。
Q3
2010年1月現在、次の国の中で最も消費税率が低いのは?
A. フランス
B. ドイツ
C. 日本
A3 正解は 「C. 日本」 です。
フランスは19.6%、ドイツは19%。ほかにも、スウェーデンは25%、イギリスは17.5%などで、日本は先進諸国の中では低いほうになるため、税率アップを主張する人たちの根拠のひとつとなっています。
Q4
2010年1月現在、アイルランドの消費税率は21%。しかし、主な食料品にかかる消費税の割合は違います。何%?
A. 25%
B. 5%
C. 0%
A4 正解は 「C. 0%」 です。
嗜好(しこう)品であるたばこの税率が高いのとは逆に、毎日の生活に欠かせない食料品については、税率を低くしているのです。同様の措置をとっている国は、他にも少なくありません。このため、どの品目にも一律に消費税を課す日本では、税率アップの前にこうした措置をとるべきだとの意見もあります。