適性検査に役立つ!年末年始の行事を通して日本文化に対する意識を高めよう

※2006年12月現在の情報に基づいた記事です。

2006年も残すところわずかとなりました。この時期から春にかけて、大みそか、正月、小正月、節分、ひな祭りなどわが国ならではの行事が続きます。なかでも、「正月」は、日頃はあまり行事を意識していないという家庭にとっても大きな行事なのではないでしょうか。おせち料理を作る、家族で初詣でに行くなど、年末年始の体験をぜひ受検に向けて役立てたいものです。
日本の伝統文化や国際交流に関する問題は、全国の公立中高一貫校の適性検査で毎年出題されています。このような問題では、単に「言葉を知っているか」や「知識があるか」を試しているのではありません。全国の公立中高一貫校では、教育理念に「国際的な視野をもった人材の育成」や「国際コミュニケーション能力の育成」「日本の文化を理解し、世界の中の日本人としてのアイデンティティーの確立」などを掲げている学校が多くあります。つまり、このような学校では、適性検査を通じて「日本文化・伝統に対する理解」や「世界への関心度」を見ているのです。


適性検査での出題例
  • 外国の人に、正月の書き初めについて説明する場面で、示された4つの語の中から1つを選び、選んだ言葉と「なぜ正月にその言葉を書くか」について答える。
  • 外国の人に「日本文化」について1つ紹介するとしたらどんなことを紹介するか、紹介する内容とそれを紹介する理由を書く。
  • 自分が日本語の中で外国へ紹介したいと思う言葉はどんな言葉か、理由もあわせて書く。

上の過去の出題例はいずれも、自分の国の文化や伝統を知っていなければ答えられない問題です。世界へ目を向けるためには、まず自分の国のことをよく知っておくことが大事なのです。


■日本の「年越し」について知っておこう!

1年の終わりの日を「大みそか」、その日の夜を「年越し」といい、1年の初めをお祝いするのが「正月」です。大みそかの夜は「除夜」とも言われ、お寺では、人間の108つの煩悩を取り除くため、鐘を108回つきます。

言うまでもないことですが、元日というのは正月の1月1日のことです。また、元日の朝が「元旦」です。昔から、正月には作物を豊かに実らせるための神様「年神」がやってくると考えられていました。そのため、12月にはお餅やお酒を供えて年神を迎える準備をしました。門松や注連(しめ)飾りなども年神を迎えるためのものです。新年に「明けましておめでとう」というのは、年神を歓迎することに由来するそうです。

また、おせち料理は、「節句と呼ばれる行事の日に食べる正式なお祝いの料理」のことです。節句のときに食べる料理ならば、実はひな祭りや端午、七夕などのときに食べる料理も「おせち料理」なのですが、今では1年の最初の節句であり、最も大きな行事であるお正月の正式な料理のみを「おせち料理」と呼んでいるようです。「節句」という言葉は、神様への供え物ということで「節供(せちく)」とも呼ばれていたようです。おせち料理には黒豆や数の子、きんとん、伊達巻(だてまき)、かまぼこなどを入れますが、それぞれの料理にはさまざまな願いや意味があります。
1年のはじまりである正月は、春の始まり(立春)とも考えられていました。つまり、新しい生命が誕生する季節と信じられていたのです。1月7日に、春の初めに生える7種類の若菜を刻んで入れる「七草がゆ」を食べることは有名ですが、新年にこの七草がゆを食べることで新たな生命力を体に取り込み、無病息災で長生きできると考えられていたようです。

お正月に飾った注連縄や門松などを焼く火祭り行事のことを「どんど焼き(とんど焼き、どんどん焼き)」と言います。どんどの火に乗って年神が帰る、どんどの火にあたると1年間風邪をひかないなどいろいろな言い伝えがあります。


親子でやってみよう

次の言葉について、意味や由来について調べてみましょう。

●お屠蘇(とそ)
●注連(しめ)飾(かざ)り
●お年玉
●鏡開き
●初詣(はつもう)で
●書き初め


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