「地球温暖化(気候変動)」について考える

※2010年1月現在の情報に基づいた記事です。

1995年12月にベルリンで行われた「第1回気候変動枠組条約締約国会議(COP)」から約15年がたち、地球の温暖化(気候変動)に対する危機感や防止対策は広く知られるようになりました。
「CO2削減」や「エコ」に対する提言、取り組みがニュースなどで報道される機会も多いので、お子さまたちも少しずつこの問題を身近に感じてきているのではないでしょうか。2009年に鳩山首相が日本の温室効果ガス削減目標にマイナス25%という高い数値を掲げたことにより国内での関心も高まり、世界的にも日本のこれからの取り組みが注目されています。
そこで今回はこの世界的注目度の高い「地球温暖化(気候変動)」について考えてみましょう。


クイズde基礎知識

地球温暖化(気候変動)の原因は?
防止するにはどうしたらいいの?


Q1

「地球温暖化(気候変動)」の原因といわれているものは?


A. 二酸化炭素排出量の増加
B. 石油エネルギー使用の減少
C. 火山の噴火や山火事


A1 正解は 「A. 二酸化炭素排出量の増加」です。

二酸化炭素をはじめとする温室効果ガス(他にメタンや、フロンを含むハロカーボン類など)は本来、地表に届いた太陽の熱を地球内部に還元し、地球を人間が過ごしやすい快適な温度(平均気温14度)にする役割をもっています。しかし近代に入り、人口の増加や文明の発達に伴って、その温室効果ガスが過剰に増加し、地球があたためられすぎています。これが地球温暖化の主な原因といわれています。


図1:温室効果ガスと地球温暖化メカニズム


Q2

「地球温暖化(気候変動)」により起こるとされている弊害は?


A. 紫外線の増加により皮膚病が増える
B. 北極や南極などの氷が溶けたり、海水が膨張したりして海面が上昇する
C. 地震が多発する


A2 正解は 「B. 北極や南極などの氷が溶けたり、海面が膨張したりして上昇する」 です。

地球温暖化(気候変動)による弊害はいろいろありますが、なかでも人類や自然に最も大きな影響があると危惧(きぐ)されているのが海面上昇です。これは年々深刻化してきているもので、20世紀の100年間で世界平均水位が約17cm上昇したと推測されています。
ほかにも猛暑や暖冬などの異常気象を引き起こすとされ、大規模な台風やハリケーン発生、動植物などの生態系への悪影響も心配されています。Aは温暖化と同じく大きな環境問題となっている「オゾン層の破壊」による弊害です。


Q3

1997年に日本のある都市で議決したもので、二酸化炭素の排出に関した数字の取り決めが記されたものをなんという?


A. 京都議定書
B. 東京議定書
C. 沖縄議定書


A3 正解は 「A. 京都議定書」 です。

1997年に京都で開かれた「第3回気候変動枠組条約締約国会議(COP3)」では、地球温暖化(気候変動)の原因となる、温室効果ガスについて、先進国における削減率を各国別に定め、共同で約束期間内に目標値を達成することが定められました。正式名称は、「気候変動に関する国際連合枠組条約の京都議定書」です。
このときの日本の目標は2008年から2012年までに温室効果ガスの排出量を1990年に比べて6%減らすこと。さらに2009年の9月には、鳩山首相が国連気候変動サミットで「2020年までに1990年比25%削減」という目標を掲げ、世界的に大きな注目を集めました。


Q4

今すぐできる、身近なCO2削減対策は?


A. 使っていない電気機器のコンセントを抜く
B. エアコンは室内を温めすぎず、冷やしすぎない温度に設定する
C. 買い物にエコバッグを使い、包装の少ないものを買う


A4 正解は 「A、B、C、すべて」 です。

Aは年間約60kg、Bのエアコンの温度はいつもより暖房を1℃低く、冷房を1℃高く設定するだけで年間約33kg、Cで家庭ゴミとなるレジ袋や発泡トレーなどを使わないことにより、年間約58KgのCO2がそれぞれ削減できます。
身近にできる温暖化対策はたくさんあります。テレビを1日1時間見るのをやめる、シャワーのお湯の出しっ放しをやめるなど、できることから始めてみましょう。
※数値データは全国地球温暖化防止活動推進センターウェブサイト「家庭でできる取組み10項目」2007年4月改訂数値より


適性検査ではこう問われる

地球温暖化(気候変動)のしくみと身近にできる取り組みについて


図2:世界の二酸化炭素排出量-国別排出割合-(2004年)地球温暖化(気候変動)は全世界で取り組まなければならない重大な問題です。その注目度の高さから、適性検査でも過去に「京都議定書」にかかわる問題の他、地球温暖化(気候変動)の原因や自分たちができる取り組みなどについて問われた例があります。
適性検査対策としては温暖化(気候変動)について知識をもっていることも大切ですが、それよりも自分が普段から地球温暖化(気候変動)についてどのように考え、どのような取り組みをしているか、その部分を答えられることが大切になると考えられます。
また、2009年12月に行われた国際会議(COP15)で全世界レベルでの合意が先延ばしされたことなども踏まえ、世界各国で足並みをそろえることがなぜ難しいのか、なども考えてみるといいでしょう。


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