【回答:森上教育研究所】受験全般・その他
「中学受験は親子の受験」とも言われ、保護者のかたの役割はとても大きいもの。受験準備が進むにつれて、心配事や気がかりもいろいろ出てくるでしょう。よくある相談事例について、専門家の先生がたや、合格家庭の先輩保護者のアドバイスを集めました。
平成21年度入試倍率について
中学受験と高校受験の偏差値について
平成21年度入試倍率について
Q | 平成21年度入試の倍率について、総括するとどうだったのでしょうか。 |
A | 平成21年度の全体の合格倍率(受験者数÷合格者数)は、2教科・4教科の合計で、男子は2.80倍、女子は2.68倍でした。平成20年度の男子は2.91倍、女子は2.73倍で、平成19年度の男子は2.95倍、女子は2.82倍で、平成19年度をピークに明確な減少傾向が見られます。 しかし、受験者数は小6人口の影響を受けます。例えば、平成19年度入試は小6人口が平成17年に比べ約6%も増加しました。 小6人口の影響を排除した合格倍率の推移を<表2>と<表3>で作成しました(表の色がついている部分を参照)。これは、小6人口の影響を排除して、平成21年度入試の合格倍率を平成17年度と対比したものです。 小6人口で修正した平成21年度の全体の合格倍率は、男子:2.68倍、女子:2.57倍です。平成20年度は男子:2.85倍、女子:2.68倍、平成19年度は男子:2.78倍、女子:2.66倍で、ピークは男子・女子とも平成20年度になっています。 平成21年度は、リーマンショックの影響か、合格倍率が男子・女子とも減少しています。不況の影響は平成22年度ではさらに大きくなると考えられるので、合格倍率はさらに減少すると予測されます。 |
中学受験と高校受験の偏差値について
Q | 中学と高校の偏差値の差について、例えば中学受験の偏差値に13〜15プラスすると高校受験の偏差値になるといわれていますが、専門家としてはどう思われますか。また、中学受験の偏差値と大学受験の偏差値は、大まかにいって同等なのでしょうか。 |
A | 確かに、同じ出版社の『中学受験案内』と『高校受験案内』で同じ学校の中学と高校の偏差値をみると、中学受験の偏差値に13〜15プラスすると高校受験の偏差値になっています。しかし、ここで注目しなければならないのは、偏差値はある集まりの中での順位を示す値で、その集団の性質によって同じ生徒の順位は上下するということです。中学受験でも、同じ生徒が四谷大塚模試と首都圏模試を受けた場合、四谷大塚模試の偏差値が首都圏模試の偏差値よりも低く出ます。これは、首都圏模試よりも四谷大塚模試を受験する母集団のほうが成績の高い生徒が多く受けていることを示しています。 中学受験を考える家庭は、教育熱心で、生徒のモチベーションも高いことが予想できます。高校受験では、成績の高い生徒もたくさんいるとは思いますが、先の大学進学を考えていない生徒も同じ模試を受けるので、偏差値は高めに出るのです。 中学受験の偏差値と大学受験の偏差値が大まかにいって同等といえるか、ということですが、中学受験の首都圏模試と四谷大塚模試では、同じ中学でも偏差値が異なるわけで、どの模試で中学受験と大学受験の偏差値を比較するかで結果も異なります。同じ学校の偏差値を中学受験・高校受験・大学受験の大手の主要な模試で比較すると、高校受験よりは中学受験と大学受験の偏差値のほうが低く、中学受験と大学受験の偏差値の差が小さいので同等とみえるのだと思います。 |