【回答:森上教育研究所】志望校選び<その4>
「中学受験は親子の受験」とも言われ、保護者のかたの役割はとても大きいもの。受験準備が進むにつれて、心配事や気がかりもいろいろ出てくるでしょう。よくある相談事例について、専門家の先生がたや、合格家庭の先輩保護者のアドバイスを集めました。
学校と芸能活動の両立を理解してもらえる学校を探すには?
第一志望校の合格ラインまで遠い状態。併願校の優先順位づけはどう考えればいいか?
学校選び、塾選びに見当をつけるには?
学校と芸能活動の両立を理解してもらえる学校を探すには?
Q | 息子は小さい頃からモデル活動をしていて、これからも続けていきたいと希望しています。有名で活躍の機会が多ければ、芸能コースのある学校へと思いますが、息子はそこまでではありません。勉強と、部活だけでなく芸能活動も両立させて、理解してもらえる学校を探しています。直接電話や説明会などで、個人的に学校に尋ねる以外に方法がありましたら教えてください。 |
A | 芸能活動を行いながら学校生活をしている(または過去にしていた)在校生の保護者に知り合いがいればよいのですが、現実にはなかなか見つけられないものです。また学校内部の情報は、学校としては積極的に発信しないので、学校に尋ねてもこちらが希望するレベルで回答してもらえるかどうかは疑問です。従来、このような学校情報をインターネットで収集する場合は、信頼性の低い学校裏サイトなどしかありませんでした。 ところが、最近、学校内部の情報収集の方法として受験コミュニティサイトの活用が飛躍的な拡大を見せています。『週刊 東洋経済』2009年6月20日号「リアルな声を検索するネット時代の中学受験」を見ると、有名な受験のポータルサイトでは、1日の平均PV(ページビュー:ページへのアクセス数)は100万回に達しています。このことは、これまでいかに信頼性が高い学校情報が少なく、受験生・保護者のニーズは高かったかを示していると思います。 このようなサイトでは、掲示板の特性を生かした「質問と回答」形式で、在校生の保護者とコミュニケーションできるので「勉強と、部活だけでなく芸能活動も両立させて、理解してもらえる学校」を探すには良い方法だと思います。 しかし、教育関係ということもあり通常の掲示板よりも信頼性は高いとはいえ、掲示板の特性として誤った情報も混ざっていることを覚悟しなければなりません。正しい情報かどうかを文面だけで判断できる力が必要となります。 |
第一志望校の合格ラインまで遠い状態。併願校の優先順位づけはどう考えればいいか?
Q | 受験まで2か月あまりになりました。 第一志望校には偏差値も足りなくて、過去問も合格最低点までほど遠い状態です。このまま第一志望校を3回すべて受験しても合格可能性は低い気がします。 併願のほうは、実力相応校が第一志望と同じ試験日で、どちらを優先するべきか迷います。公立中は本人が強く拒否しています。合格可能性の低い第一志望を優先すると、第二志望の実力相応校(偏差値同程度)も第2回のみの受験になるため倍率も上がり合格にならないのでは、との心配もあります。 第一志望校を優先することにより、その学校と第二志望の学校も合格せず、結果第三志望校に通うのか、第二志望を優先して第二志望に通うのか、どうすればよいかわかりません(第二志望も絶対受かるとはいえませんが)。何か良いアドバイスをいただけるとうれしいです。 |
A | 第一志望校に合格させたい。それがだめなら少しでも良い学校に合格させたい。それが、親の気持ちです。しかし、いくら考えても結論は得られないでしょう。確率は低くとも合格する場合もあれば、大丈夫だと思っても不合格になることもあります。それが受験です。 第一志望とお子さまの偏差値は、どれだけ差があるのでしょうか? 偏差値が5〜6であれば、あと2か月あるので過去問演習を徹底的に行えば、合格最低点まで届く可能性があります。受験料は無駄になりますが、受験する可能性がある学校には、すべて願書を出しておけば、ぎりぎりまで可能性を追求できます。偏差値で10以上の差があるとかなり厳しくはなりますが、最後までチャレンジさせることを子どもに教える良いチャンスです。そこまでやって合格最低点まで届かなければ、親子とも第一志望にあきらめもつくと思います。 次にお子さまの気持ちを考えてみましょう。 例えば、[1]第一志望にチャレンジして、第一志望と第二志望が不合格になり第三志望のみ合格となった場合、[2]第一志望にチャレンジせずに第二志望が合格となった場合で、お子さまはそれぞれどのような気持ちになるのでしょうか? どうしても第一志望に入りたいと思っていれば、[1]の場合でも「大学受験では、第一志望に入る!」と考えるかもしれませんし、[2]の場合でも第一志望にチャレンジしなかったことを悔いるかもしれません。お子さんの気持ちを知ることも重要です。 |
学校選び、塾選びに見当をつけるには?
Q | 現在3年生です。中学受験についてですが、わが家は夫が英語を母国語とするため、本人は英語の読み書きを含め、ホームティーチングをしており、日本生まれなのに、漢字などは少し苦手です。 希望としては、英語の力も個性として評価してくださる、国・公立の中高一貫校、もしくはバイリンガル教育に理解のある中学を受験させたいと思っていますが、どのように準備すべきか、また塾もどこがいいのか皆目見当がつきません。どのように探せばいいのでしょう? |
A | 第一志望校を決定してから、受験準備方法と塾を決めるべきなので、まず志望校の話をします。国立・私立と公立の中高一貫校では、入学試験内容が異なります。当然、受験準備方法も異なりますので、公立を第一志望にすると国立・私立校は併願しにくくなります。 またお子さんの英語が強みであることを生かせる学校にすべきですが、半面、英語で目立ちすぎることでいやな思いをすることがない学校にすべきです。帰国子女などの割合が少しでも多いと思われる国立・私立または公立の中高一貫校から第一志望校を選ぶのがよいでしょう。塾には小学4〜5年生から通わせるのであれば、それまでの受験準備としては家庭学習で国算理社の基礎学力を高めておいてください。 塾は、第一志望校に合格実績があり、通うのに便利なところにすべきです。第一志望校の合格実績がある塾には、第一志望校を志望する生徒が集まり、同じ目標をもった生徒の中で勉強することがお子さんにとって良い環境となります。また、先生も生徒を第一志望校に合格させるだけの実力と経験があると考えられます。しかし、あまりにも塾が遠すぎると、通うだけで疲れてしまいますので、お子さんの体力と気力に合わせて選んでください。さらに、お子さんの学力レベルと塾の授業レベルを確認してください。知り合いの生徒が塾に通っていれば、塾の授業レベルを聞くことで確認できます。 |