【回答:ミスター・ツカム】家庭学習・家庭内コミュニケーション<その6>

「中学受験は親子の受験」とも言われ、保護者のかたの役割はとても大きいもの。受験準備が進むにつれて、心配事や気がかりもいろいろ出てくるでしょう。よくある相談事例について、専門家の先生がたや、合格家庭の先輩保護者のアドバイスを集めました。


【回答:ミスター・ツカム】家庭学習・家庭内コミュニケーション<その6>

計算ミスが多い

算数の問題をよく考えずに解いている

夏休みに、どのくらい勉強すればいいですか?

計算ミスが多い

計算ミスがいまだに多くて、あきれてしまいます。計算のしかた自体はわかっているようですが、うっかりたし算をまちがえたり、けたをずらしてしまったりと、ケアレスミスばかりです。本番の入試ではいつもよりも緊張するはずなので、ますます計算ミスが増えそうです。何かいい対処方法を教えてください。
「計算ミスがいまだに多い」とありますが、まず正確に把握してください。
(1) どれぐらいの割合でミスが起こるのでしょうか?
(2) どんな計算のパターンでもまんべんなくミスが起こるのか? 例えば分数が入るとまちがえやすくなるとか、単純な2けたどうしのかけ算でミスが起こるとか。

もし、10問やって1〜2問のミスならあまり気にせずに「大丈夫、数をこなしていけば、いずれなくなるわ」という気持ちでお子さんに接してください。過剰に「計算ミス」を指摘すればプレッシャーとなり「僕は(私は)計算ミスしやすいんだ」という暗示にかかってしまい、ますますミスが大きくなる可能性も出てきます。
そうではなく、まんべんなくミスをしている場合。短時間で集中して計算問題だけやるという練習を毎日少しの時間をとってやってみてください。
正解率が少しでも上がったら「アナタは集中できていて良くなっている」と言葉をかけてあげて。
文章の中にありました「本番の入試ではいつもよりも緊張するはずなので…」このフレーズはお子さんに言わないように。これも強烈な暗示となりますから。
その他、工夫すれば簡単に計算ができる方法。覚えてしまっているとラクなかけ算の答え。
…このようなささいなことでも定着していれば、より迅速・正確にできることもあります。

算数の問題をよく考えずに解いている

算数の文章題を見ると、問題文中にある数字を拾って、いい加減に計算をしているようです。よく考えて問題を解くようにするにはどのように家で勉強させたらいいでしょうか?
大人からしたら「なんでこんなことするのだろう?」と思うことでも、子どもはちゃんとした動機で事を行っています。ご相談の「数字を拾って式を立てる」という行動ですが、一刻も早くこのわからない問題から離れたい…というごく純粋な行為ですね。誰でもあります。
しかし、全部が全部、適当に数字を拾って、計算式を立ててはいないと思います。正確に式を立てて正解できる問題もありますよね?
適当に式を立てている問題は、その単元の基本が全く理解できていないからです。
まずチェックしてみてください。文章を読んで、図や絵をかいているか?…ということを。
いつも私が力説していますが、線分図を正確に丁寧にかく習慣が受験算数で最も重要です。
その他、速さなら電車の絵を描いたり、場合の数なら樹系図が正確にかけるか?…など視覚的に問題を整理できることを定着させましょう。
最初からうまくかけなくても、厳しい指導はしないで、図をかいて考えたことをほめてあげてくださいね。
そして、「図をかくとこんなにわかりやすいんだ」という達成感を十分に味わわせてあげましょう。

夏休みに、どのくらい勉強すればいいですか?

5年4月から入塾、先日の首都圏模試で偏差値40でした。
偏差値は、今後、あがるかもしれませんが、この夏の勉強次第だと思っています。すでに、2日がすぎ、のんびりしています(算数の問題を30問ぐらい解いたぐらいです)。が、5年の夏休みをある程度、納得がいく終わり方をするために、母親の私の頭の中であれもこれも…と考えていると、結局何時間あっても、足りないぐらいなのでは、ないかと思うほどです。
夏休み、時間でなく中身である事は承知ですが、塾の説明会のお話によると、やはり、ある程度は時間と比例すると、言われました。人一倍、理解力が乏しいので、時間はある程度確保したいと考えております。一般的に何時間ぐらい勉強時間をとったらよろしいでしょうか?
ポイントは2つあります。
一つ目は、お母さんが思っておられる「5年生の夏休みをある程度、納得がいく終わり方をするために」という目標についてです。
これですと「あれも、これも」とお母さんの欲が出て、何一つ達成できていない…という不満だけが残ります。
夏休みが終わった時点で、お子さんが「やったぁ。僕は(私は)できたんだ!」という達成感で満足している状態が、今後やる気を続けていける最高の状態です。
そのためには、この夏休みは、今のレベルの定着と少しだけレベルアップしたものを反復学習すること。遅れている単元は基本に徹することだけを考えましょう。
そして、期限のある目標を立てて、小刻みに達成感を体験させてあげてください。

私のメルマガ(第281回「適切な目標&達成」 http://www.mekimeki.net/mailmag1-7.html#281)で詳しく書いていますので参考にしてください。
二つ目のポイント。お子さんは、まだ中学受験生活に慣れていないと思われますので、「時間」で決めない方が良いです。「何時間」と決めてしまうと、勉強がイヤになったらただ机に向かっているだけの状態になり、苦痛でしかなく逆効果になります。
これだけ理解できたら今日はおしまい、…という方が集中力も出ていいと思います。
達成できたら、ほめてあげて、ご両親がふさわしいと思われるごほうびもあげてくださいね。

プロフィール



大人気メールマガジン「コロンブス的・超発想で中学受験を成功させる方法」の発行人で、中学受験カウンセラー。メルマガは殿堂入りを果たす。理科・替え歌暗記法のCD『愛のメモリーTM』も作成。

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