【オンライン授業】-新型コロナウイルス影響調査から-保護者の満足度と問題点を考える

新型コロナウイルスの感染拡大防止のための休校措置などに伴い、家庭内で受講できるオンライン授業が注目を集めています。その受講の様子や満足度について、「新型コロナウイルス影響調査」のデータに基づいて考えていきましょう。

■調査概要
調査名:親子の生活における新型コロナウイルス影響調査
調査形式:インターネット調査
調査対象:全国 47 都道府県在住の約 2,800 世帯(幼稚園の年中~高校 3 年生のお子さまがいる世帯)
調査実施時期:3/20 頃、3/28 頃、4/3 頃、4/10 頃、4/17 頃、4/24 頃、5/8 頃、5/15頃に実施
ベネッセコーポレーション実施

オンライン授業・講義を
「利用したことがある」小・中・高生は約2~4割
「利用したことはないが、今後利用させてみたい」は約4~6割

上のグラフによると、「園や学校での授業」としてのオンライン授業を「利用したことがある」ご家庭は、小・中学生で約2割、高校生では約4割です。「塾やアプリでの配信サービス」については約2~4割が「利用したことがある」と回答しています。
また、「利用したことはないが、今後利用させてみたい」と考えているご家庭は、「園や学校での授業」については約4~6割、「塾やアプリの配信サービス」では約4割となっており、園や学校からのオンライン授業の配信により高い関心が寄せられている様子がうかがえます。続いてその満足度を見ていきましょう。

オンライン授業・講義を利用したことがある保護者の約4~7割が「満足」

オンライン授業の満足度は、「園や学校での授業」が約3~6割、「塾やアプリの配信サービス」では約6~8割が「満足」と回答しています。現段階では、「園や学校での授業」より、「塾やアプリの配信サービス」での満足度がやや高い様子です。
では、「不満」と回答したかたはどのような点に不満を感じているのでしょうか?

オンライン授業・講義の不満点は
小学生では「単調なため集中力が続かない」
中学生以上は「本当に理解できているかわからない」

オンライン授業の不満点はほぼ「単調なため子どもの集中力が続かない」「本当に理解できているかわからない」に集中しています。特に小学生では「単調なため子どもの集中力が続かない」不満が大きく、中学生以上では「本当に理解できているかわからない」不満が大きくなっているようです。

小学生くらいのお子さまにとって、学校の教室で先生やクラスメートと一緒に授業に参加するのではなく、自宅で一人で、集中力を切らさずに授業を視聴することは、なかなか難しいものです。また、通常の中学校や高校の教室での授業であれば、先生は生徒の様子を見渡し、一人ひとりの表情などで、その生徒が理解しているかを確認しながら授業を進めるものですが、オンライン授業の場合は、授業に使うツールの仕様上、参加者全員の様子を瞬時に確認というわけにはいきません。また、生徒が質問をすることもハードルが高くなりがちです。そのため、授業の内容がわからなくても、先に進んでしまうことがあります。

保護者のかたは、このようなオンライン授業の問題点を知ったうえで、なるべくお子さまが集中して授業が受けられるよう、机のまわりに気が散りそうなものを置かない、画面が見やすい端末で授業を受けられるようにするなど、環境を整える工夫をしてみるとよいでしょう。また、お子さまが理解できなかった点は、後で復習させるなど、できる範囲でサポートしていけるとよいですね。

オンライン授業におけるその他の問題点

オンライン授業には、その他にも注意しておくべき問題点があります。まず、インターネット環境の整備など、導入にあたってコストがかかる場合があるでしょう。特に、双方向型のオンライン授業の場合は音声と映像を互いにやり取りすることになります。通信量が多いので安定したインターネット環境が必要になり、端末も高機能なものを用意しなくてはなりません。その他、Webカメラやヘッドセットなど、快適に授業を受けるために付属品が別途必要になる可能性もあります。
パソコンやインターネットに関する知識が必要になるということも問題点のひとつです。オンライン授業の形態によっては、Web会議システムのソフトをインストールしたり、インターネットの設定を変えたりするよう要請される場合があります。あまりにもIT関連の知識がないと、そもそもオンライン授業を受けられない可能性があるので注意が必要です。
また、セキュリティ対策についての知識も欠かせません。IT端末をお子さまが操作するうちに、悪質なサイトにアクセスしてしまうのではないかと危惧している保護者のかたもいるのではないでしょうか。ウイルスによる被害などを防ぐためにも、サイバーセキュリティについての最低限の知識も身に付けておくべきなのです。
画面を見続けることになるオンライン授業では、眼精疲労などの身体的な負担についても配慮が必要です。特に、小さいお子さまの場合は近視の発症などにもつながりやすいので注意しましょう。ブルーライトカットメガネを使う、適度に休憩をとるなど、負担を軽減するための工夫が重要です。15~20分おきに画面から目を離し、しばらく遠くを見つめるようにするのが効果的だといわれています。

対面授業と同じようにはいかないオンライン授業
しかし、家庭で視聴できるからこその利点もある

オンライン授業は対面の授業と同じようにはいかないものですが、双方向のオンライン授業に参加したり、計画的に映像配信の授業を視聴したりすることで、学校に通えない間の家庭学習のリズムが多少整えやすくなるという面もあります。中でも利点は、保護者も自宅で一緒に授業を参観できるという点です。たとえば、お子さまが小学生の場合は、授業の大事なポイントは何か、子どもは授業についていけているか、保護者も一緒に視聴して確認しておけば、あとで授業で教わった内容の復習をするサポートをする際に役立つでしょう。

オンライン授業におけるその他の利点

オンライン授業には色々な問題点がある反面、導入することで得られるメリットも少なくありません。まず、オンライン授業なら当然学校に通う必要がないので、通学のための時間を節約できます。節約した時間を自主学習に充てることで、効率的に学力を向上させることができるでしょう。
また、住んでいる地域にかかわらず、平等に教育を受けることができるということも利点のひとつです。少子化が進んでいる日本では、過疎地域における教育の問題が表面化し始めています。しかし、オンライン授業を子どもが少ない地域にも導入できれば、都会と同じ水準の授業を受けさせることが可能になるのです。同様に、登校が難しい生徒も授業を受けやすくなります。不登校や体調の問題など、学校に行くことができない事情はさまざまです。オンライン授業を活用すれば、もともと登校できなかった生徒も受講できるようになるでしょう。
そして、教育の質が向上するということもオンライン授業の利点として挙げられます。オンライン授業なら、実際に教室まで足を運んでもらわずとも、その分野の専門家や一流の指導者を授業に招くことができます。その結果、複数の指導者を交えながら、質の高い授業を展開できるようになるのです。
最後に、新型コロナウイルスの件からもわかるように、将来どのような事態が持ち上がるのかは誰にも予想できません。パンデミックのような予想外の事態にも対応でき、教育の機会が失われにくいということもオンライン授業の利点だといえます。

オンライン授業は利点と問題点を理解して参加することが大切

アンケート調査の結果、保護者のかたはオンライン授業にさまざまな不満を感じていることがわかりました。しかし、オンライン授業には問題点もあれば利点もあります。その両方を理解したうえで、公平な視点からオンライン授業を評価することが大切です。

休校中にオンライン授業を開始した学校では、先生側も、授業を受ける子ども側も、まだ試行錯誤を繰り返しつつ、できることを実施している状況だと思います。まだまだ課題もありますが、オンライン授業によって新しい視点や興味が開かれ、学習意欲を刺激される機会もあることでしょう。普段のように学校や校外学習に通えない時期には、こうしたオンライン授業の機会を前向きにとらえることでお子さまの学びをサポートしていくのもよいですね。

小・中・高校生の親子の生活における新型コロナウイルス影響調査(毎週実施)
(ベネッセコーポレーション)(2020年05月14日)
https://blog.benesse.ne.jp/bh/ja/news/20200514release.pdf

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