看護学ってどんな学問?
世の中にはたくさんの学問があります。どんな内容で、何を学んでいくのか知っておくことは、自分の興味や関心の方向性を探れることはもちろん、進路を決めるために、大いに役立つでしょう。今回は「看護学」を取りあげます。
看護学とは?
看護学とは、「人をケアする」ことのすべてについて、科学的に研究する学問のことをいいます。ケガや病気など目に見える体の変化だけでなく、精神面からのケアもとても重要です。より健康な状態を維持する手助けをするため、看護学では幅広い分野からさまざまな知識を積み上げていく必要があります。
看護学ではどんなことを勉強する?
看護学で必要なのは、医学に関わることだけではありません。「人間」そのものについても学ぶ必要があるため、人文科学、自然科学なども学びます。精神や人間関係について、あるいは人が暮らしていくための環境について、患者の立場に立って考えられるだけの視野を育まなければなりません。
実践的な看護については、看護法などを研究する「基礎看護学」、患者の精神的なケアとは何かを知るための「精神看護学」があります。看護する対象を成人・小児・母性・老人などに分けて行われる研究や、患者の置かれた状況までを配慮する「地域看護学」や「在宅看護学」なども重要です。このような理論を学んだ上で、より具体的、実践的な看護に取り組んでいきます。
看護学の講義はどのように設定されているか
最初の段階で履修するのは、哲学、倫理学、心理学、教育学、生物学、化学など、人間を理解するための科目です。次の段階で、解剖生理学、栄養学、病理学、微生物学、免疫学、薬学、環境・健康に関する研究など、医療的な分野に踏み込みます。
専門科目には、看護哲学、成人看護学、老人看護学、精神看護学、公衆衛生看護学、母性看護学、小児看護学など、多くの実習が行われるものです。実際に病院や福祉施設に行き、現場の空気に触れることも多いでしょう。
看護学を学んだ人々の卒業後の進路
看護師の国家試験受験資格を得た卒業生たちの多くは、試験に合格した後、病院、診療所、企業の健康管理センターなどで看護師として働きます。大学に付属病院がある場合はそこに勤務することも多いでしょう。その他、食品製造、医薬品会社などに就職し、専門知識を生かしている先輩もたくさんいます。