想像力や応用力を養う良い方法を知りたい[中学受験]
平山入試研究所の小泉浩明さんが、中学受験・志望校合格を目指す親子にアドバイスする実践的なコーナーです。保護者のかたから寄せられた疑問に小泉さんが回答します。
質問者
小3女子のお母様質問
応用問題が苦手です。基本の計算は得意なのですが、「自分で想像する」こと全般にわたって苦手のようです。算数に限ったことではないのですが、想像力や応用力を養う良い方法を知りたいです。小泉先生のアドバイス
イメージを具現化させるために「目に見える形」にする
算数の計算は得意なのに、文章題になると途端にできなくなるお子さまがいます。問題文の中の一つひとつの言葉はわかるのですが、何をどうやって解いていけばよいかわかりません。お子さまの状況もこれに近いものでしょうか? もしそうであれば問題文の中に書いてある文字が、イメージ化できないことに原因があると思います。
人は文字を読み、それらを頭の中でイメージ化することで文章を理解していきます。うまくイメージ化できない場合は、目が文字を追っているだけで、問題文の内容をしっかり理解できていません。もちろん計算式も立てられませんから、答えを導き出すこともできません。そういった場合は問題文をもっとわかりやすく、「目に見える形」にしてあげればよいのです。
たとえば学校や塾では、絵図や線分図、または面積図などを使って問題文の内容を具現化して考えていきます。自分で線分図を描くのは最初はなかなか難しいのですが、先生が描いたものを真似していると、だんだんに上手に描けるようになります。図が使えるようになると、図のどこが条件で、どこが求めるものであるかが目で確かめられるようになります。目に見えるのですから、これほどわかりやすいことはありません。
お子さまの場合は、まずは絵図を使って問題文をイメージ化するのがよいと思います。3年生には少し難しいかもしれませんが、たとえば下記のような問題を考えてみましょう。
計算式を立てて、答えを出すと以下のようになります。
式)お父さんからもらったお年玉を□とすれば、
□÷2=1200+250 □=2900 答え2900円
この問題は、求めるものである□が式の最初に出てくるので扱いにくいと思います。こんな時は絵図を活用します。ここで注意すべきことは、問題文の最初から絵図にしていく点です。上手な絵図を描こうとすると、文章全体をつかんでから図を描きたくなります。しかしこれは順序が逆で、全体がわからないから絵図を描くのです。問題文の最初から絵図を描くと、バランスが悪くなる場合が多いのですが、最初はヘタクソな絵で十分です。問題文を一つひとつ読みながら、絵図を完成させていってください。下記に絵図の描き方の例を挙げます。
〔絵図の作成例〕
この絵図を式にすると、下記のようになります。
1200+250=1450 1450×2=2900 答え 2900円
こうやって目で確認できると、問題文の内容がわかりやすいと思います。もちろん慣れてきたら、絵図を毎回描く必要はありません。頭の中に描くべき絵図が浮かんできて、問題文の内容がイメージ化でき、あとは計算をするだけになります。
そしてイメージ化が必要なのは、算数の文章題だけではありません。たとえばこれから勉強する「空間図形」では、目に見えないところを想像する能力が問われます。これも立体的な図を描く練習をしたり、あるいは実際に厚紙で立体を作ったりすることでイメージ化することができるようになります。ここでも、「目に見える形にする」という手法が役立ちます。
算数の計算は得意なのに、文章題になると途端にできなくなるお子さまがいます。問題文の中の一つひとつの言葉はわかるのですが、何をどうやって解いていけばよいかわかりません。お子さまの状況もこれに近いものでしょうか? もしそうであれば問題文の中に書いてある文字が、イメージ化できないことに原因があると思います。
人は文字を読み、それらを頭の中でイメージ化することで文章を理解していきます。うまくイメージ化できない場合は、目が文字を追っているだけで、問題文の内容をしっかり理解できていません。もちろん計算式も立てられませんから、答えを導き出すこともできません。そういった場合は問題文をもっとわかりやすく、「目に見える形」にしてあげればよいのです。
たとえば学校や塾では、絵図や線分図、または面積図などを使って問題文の内容を具現化して考えていきます。自分で線分図を描くのは最初はなかなか難しいのですが、先生が描いたものを真似していると、だんだんに上手に描けるようになります。図が使えるようになると、図のどこが条件で、どこが求めるものであるかが目で確かめられるようになります。目に見えるのですから、これほどわかりやすいことはありません。
お子さまの場合は、まずは絵図を使って問題文をイメージ化するのがよいと思います。3年生には少し難しいかもしれませんが、たとえば下記のような問題を考えてみましょう。
例題) | みち子さんはお父さんからお年玉をもらいました。半分は貯金して、残りの半分で1200円のシャープペンシルと250円のノートを買いました。みち子さんはお父さんからお年玉をいくらもらいましたか。 |
計算式を立てて、答えを出すと以下のようになります。
式)お父さんからもらったお年玉を□とすれば、
□÷2=1200+250 □=2900 答え2900円
この問題は、求めるものである□が式の最初に出てくるので扱いにくいと思います。こんな時は絵図を活用します。ここで注意すべきことは、問題文の最初から絵図にしていく点です。上手な絵図を描こうとすると、文章全体をつかんでから図を描きたくなります。しかしこれは順序が逆で、全体がわからないから絵図を描くのです。問題文の最初から絵図を描くと、バランスが悪くなる場合が多いのですが、最初はヘタクソな絵で十分です。問題文を一つひとつ読みながら、絵図を完成させていってください。下記に絵図の描き方の例を挙げます。
〔絵図の作成例〕
「みち子さんはお父さんからお年玉をもらいました。」 | |
「半分は貯金して、」 | |
「残りの半分で1200円のシャープペンシルと250円のノートを買いました。」 | |
「みち子さんはお父さんからお年玉をいくらもらいましたか。」 |
この絵図を式にすると、下記のようになります。
1200+250=1450 1450×2=2900 答え 2900円
こうやって目で確認できると、問題文の内容がわかりやすいと思います。もちろん慣れてきたら、絵図を毎回描く必要はありません。頭の中に描くべき絵図が浮かんできて、問題文の内容がイメージ化でき、あとは計算をするだけになります。
そしてイメージ化が必要なのは、算数の文章題だけではありません。たとえばこれから勉強する「空間図形」では、目に見えないところを想像する能力が問われます。これも立体的な図を描く練習をしたり、あるいは実際に厚紙で立体を作ったりすることでイメージ化することができるようになります。ここでも、「目に見える形にする」という手法が役立ちます。