保護者が重視する学校情報の情報源は? その2[中学受験]

「保護者が重視する学校情報の情報源は何か?」ということは学校にとっても興味のあることであろう。学校は、学校の中身を受験生や保護者に良く知ってもらうために、学校案内を作成し、学校説明会やオープンスクールを実施し、文化祭やスポーツ大会に受験生や保護者を招いている。
学校アンケートの設問では「保護者にとっての学校情報の情報源は?(重要だと思う上位三つを記入)」を先生方に予想してもらった。先生方に保護者の回答を予想してもらったアンケート結果と保護者のアンケート結果を比較することで、情報源の問題点がわかるはずである。

【図1 保護者が重視する学校情報の情報源の学校予想(学校アンケート)】
図1 保護者が重視する学校情報の情報源の学校予想(学校アンケート)

図1の1位~3位の計を見ると、「6.学校説明会」(84%)と「1.塾の先生」(74%)をほとんど70%~80%の学校が選択しているが、1位だけを見ると「6.学校説明会」(43%)と「1.塾の先生(31%)」を保護者が最重視すると予想した学校に分かれている。保護者が最重視する情報源の予想で、学校の見解が二つに分かれているのである。


【図2 保護者が重視する学校情報の情報源の学校予想(学校アンケート)<「塾」「口コミ」「調査」の3分類>】
図2 保護者が重視する学校情報の情報源の学校予想(学校アンケート)<「塾」「口コミ」「調査」の3分類>

図2は、選択肢を「塾」「口コミ」「(自分で)調査」の三つに分類したものである。図を見ると、57%の学校は、「調査」を最重視している保護者の実態を捉えているのだが、残りの43%の学校は捉えていないことになる。特に、35%の学校で保護者は「塾」を情報源として最重視していると考えているが、前回のコラムで示したように、実態は保護者のわずか16%しか「塾」を情報源として最重視してはいないのである。
保護者が最重視している情報源は「塾」「口コミ」と考える43%の学校が、「学校説明会」「オープンスクール」などを保護者がそれほど重視していないと考え、軽視した場合、ますます学校情報はわかりづらくなることが考えられる。そうでなくとも学校の中身となる学校情報は、なかなかわかりづらい現状がある。進路相談を行うと、ほとんどが「子どもに合った学校は?」「学校説明会、文化祭、オープンスクールでの学校情報の取り方は?」という内容であることからも裏付けられる。
心理的には43%の学校は塾の情報に依存していることは確かなようだ。

プロフィール


森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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