しっかりとした学力をつけるうえで、親ができること 第2回[高校受験]
■「言語力」を育成できる、家庭環境をつくる
今、ほとんどの子どもたちは「勉強するということは教わること」と思っているようです。「わからないのは教え方が悪い」 ? 子どもも保護者もそう言います。小さい頃から受け身の姿勢が身についてしまって、学校・塾といった場が用意されていないと勉強できない。小学生から高校生まで、一部の層を除いて、今の日本では世界に類を見ないほど「家庭学習」の時間が激減しています。
そのような状態ですから、一足飛びに、しっかり予習・復習や受験勉強をと言っても無理があるでしょう。その前に大きな問題点があります。
先に、中教審(中央教育審議会)が、「言語力」の育成が必要である、という方針を打ち出しましたが、確かに今の子どもたちは学力のベースとなる「語彙(ごい)力」がとても乏しいです。そうなったことについては、家庭環境の変化の影響もあると思います。親せきや隣近所の人が家に上がるのを敬遠するようになった、セールスなどの人と向かい合って話すことがなくなった、子どもとの外出はいつも車……。このように、子どもたちは保護者以外の大人と接する機会が少なくなってきたのです。
同年代としか話をしなければ、語彙が増えるはずはありません。語彙が少なければ、新聞を読んでも本を読んでもわからない言葉ばかりです。意味がわからないので、読む気が起こらないのは当然かもしれません。
では、どうしたらよいのでしょうか?
<子どもとの会話を増やす>
子どもの語彙を増やすためには、会話をする。まずこれが原点です。そのためには、顔を合わせる時間を増やさなければなりません。食事時間が銘々バラバラな「孤食」であったら、少なくとも朝食だけは必ず一緒にとるようにしましょう。
話が少しずれますが、朝食をとることは極めて重要です。学校は午前中に4時間の授業があります。つまり午前中が勝負なのです。食事をとることで体温が上がり、脳も働きます。食事をしないで学校に行くことは、そもそも頭が働かない状態で行くということです。
また、会話の材料として、新聞は有効です。ニュースはネットでわかるからと、このところ新聞を購読する人が減っているようですが、お子さまに読ませるためにも購読したいものです。
<携帯電話、ゲームの時間を制限する>
今の子どもたちの生活時間に大きな影響を与えているものに、携帯電話とゲームがあります。子どもによっては、メールのやりとりで途方もない時間を費やしています。取り上げることは無理でしょうから、子どもが際限なくこのメール、ゲームに時間を費やさないよう、話し合って制限時間を決めましょう。
試しに1日「NOメール、NOゲームDAY」をつくってみると、時間をいろいろなことに有効に使えることがわかって、子どもも納得するのではないでしょうか。おすすめです。