ゴールとスタートの2月[中学受験]

2008(平成20)年度の中学入試もそろそろ終わりに近づいているが、それは同時に2009(同21)年度入試のスタートを意味している。新6年生は、いよいよ自分たちの入試が始まったことを実感してもらいたい。そしてご両親も、我が子の番がついにやってきたことを認識し、これから1年間をどのように過ごしていくかをあらためて考える必要がある。
たとえば1年間を、「前期」(2~5月)、「中期」(6~9月)、「後期」(10~1月)と3つに分け、それぞれの期で「何に注意し」、「何をすべきか」を考えてみると、学習のポイントが明確に浮かび上がってくるであろう。そこで今月は2009(平成21)年度の中学入試のスタートとして、「前期」(2月~5月)についてのポイントをいくつか挙げてみる。

2月から5月までの「前期」に何をすべきかを考えた場合、何と言っても大切なことは「受験態勢の確立」である。簡単に言えば、受験に対して真剣になり、本格的な学習に耐えられるような勉強のクセを付けることである。もちろんすでにかなりの学習量をこなしてバリバリ勉強している子どももいると思うが、大多数の受験生にとっては6年生になるまでと、それ以降の学習の質・量は格段に違ってくるはずである。違っていかなければ、志望校合格はできないであろう。たとえば6年生になると、短時間の休憩はとるにしても、2時間でも3時間でも継続的に机に向かえるようになる必要がある。1時間勉強しては「あー疲れた! 何か飲み物ない?」ではまだまだ本当の受験生になったとは言えない。しかし「自分は受験生だ」という自覚を持ち、受験を自分のこととして真剣に受けとめている6年生は「前期」でも意外に少ない。多くの6年生が本当に真剣になるのは、ご両親が想像しているよりももっと先である場合が多い。

危機感を持たないとなかなか重い腰が上がらないものだが、特に性格的にのんびりしている子どもは「まだまだ大丈夫」とひそかに思っているところがある。そのためご両親がやきもきしても成績も上がらないし、下手をすればどんどん落ちていく場合がある。受験態勢に入るのがあまりに早すぎて途中で息切れしてしまうのは困りものだが、遅すぎると間に合わなくなってしまう。それではいつまでに受験態勢を確立する必要があるかと言えば、5月の連休までには受験生としての自覚を持ち、受験生らしい勉強ができるようになりたい。

しかし案外難しいのが、この受験態勢の確立と言える。たとえば「よーし、ヤルぞ!」という気持ちにさせるために親子で志望校を決めたり、志望校を見に行ったりするであろう。または勉強部屋を整頓して気持ちを切り替える、あるいは計画表を作ることから始めるかもしれない。そして1週間くらいはがんばれるとは思う。しかししばらくすると気持ちが、勉強時間が、あるいは集中力が元に戻ってしまい、「あー、ダメだ!」になってしまう。これではまずいということで、またまたしめ直して受験勉強に立ち向かっていく。こんなことを何度か繰り返しながら、やがて少しずつ勉強に慣れ、徐々に受験態勢に入っていくのである。ご両親はお子さまの状況を見ながら、より早くその気になるように、上記に挙げた動機づけを含むフォローをする必要がある。

プロフィール


小泉浩明

桐朋中学・高校、慶応大学卒。米国にてMBA取得後、予備校や塾を開校。現在は平山入試研究所を設立、教材開発など教務研究に専念。著作に「まとめ これだけ!国語(森上教育研究所スキル研究会)」などがある。

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