中学受験の危険 その1[中学受験]

都市圏の男性サラリーマンを主な読者とする夕刊2紙に中学受験に関する特集記事が掲載されるようになった。以前には考えにくい事態だ。
1紙には、家庭教師をチラシで選んだらあまり効果がなかったので断わったところ、ブログで口汚く中傷された話や、受験期の子どもの接し方のコーチを頼んだところ、母親に触るなど迷惑行為をした話などが書かれていた。何かの理由(高額だった?)でご主人に内緒で頼んでいたために、誰にも相談できなかったということだった。
筆者がかつてご相談を受けた例では、前者の例もあったし、前者+後者というべきか、ともかくご主人に内緒で高額な家庭教師を頼んでしまい、あれよあれよといううちに数十万に達して、そのうえ不合格となり、大変な目にあった事例もあった。

ともあれこうしたサービスは試してみることが難しい。仮にできたとしても、使った時間は取り戻せないので、ついつい断わりにくくなる。また断わったところ、逆恨みされるというケースも残念なことに耳にすることがある。
つまり、サービスが前近代的なのである。こうしたことを避けるために、社会的信用のある機関を通じて頼んだり、あらかじめ納得のいく事前面接をしたりして予防措置をとることと、何よりご夫婦でよく相談し、とりわけ家庭に他人を入れる以上は相応の安全策をとることが大切だ。でき得れば2~3人の子どもがグループで、家庭から半独立した施設などで指導してもらうことを筆者などはおすすめしたい。

もっとも前者の悪徳家庭教師も、後者の破廉恥なコーチングの先生も共通しているのは高額であること、仲介業者をとおしていない売り込みであること。塾講師による小学生の殺人事件が起きて世間にもある程度知られるようになってきたが、小学生も6年ともなれば女子は思春期であり、男子もそれにさしかかっている。受験のプレッシャーも加わり、ストレスを教師・生徒間でもかかえこみやすい。……親がそうであるように。
また、親がそうであるから、親子のストレス解消にこうしたサービスのニーズがあるとも言える。そしてニーズがあるので悪徳な連中も生き延びているのだろうが、仲介者のいない相手を信用させるためにも高額であるのだろう。しかし、どんなに良さそうに見えても、お子さまにストレスが発生するようなら、百害あって一利なしだ。速やかに断わるべし。

プロフィール


森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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