高校受験における偏差値【高校受験の基礎知識】

1.内申点があるから有効性は半分?
ある集団のなかで自分の学力がどのくらいの位置にあるのかを知ることができる偏差値は、高校受験においても欠かせないものです。ただ高校受験においては、志望校判定すべてにおいて有効であるとは限りません。全体の7割程度が進学する公立高校では、学力検査の行われない教科も含めた内申点が、学力試験と同等に取り扱われるからです(後述の〔入試と内申点〕参照)。ほとんどが学力試験の成績で決まる私立中学校や私立高校の入試に比べると、その有効性は理論的には半分程度にしかならないわけです(もちろん、各会場テストや塾主催のテストでは、合格者の追跡調査を通じて、内申点別に合格可能な偏差値を示すなど、できるだけ志望校判定の精度を上げるよう努力しています)。
2.推薦入試など入試の多様化が進む
偏差値による志望校判定に限界があるもう一つの理由は、主に内申点と面接で選抜が行われる推薦入試(または推薦による入学者選抜)の定員の増加です。偏差値は学力試験で入学者選抜にのぞむ場合にその目安となるものですから、推薦入試には適応できません(もちろん学外でのテストの成績と内申点との間にも相関関係はあると見ることもできますが)。

そもそも高校ではごく一部の例外を除いて、私立や国立だけでなく公立においても入学者選抜が行われます。高校入試は中学校や大学と違って全員が参加する入試なのです。そのため学力試験による選抜が定員のほとんどを占めていたころには、偏差値が万能といわれ、その弊害がしばしば指摘されてきました。その結果現在では、公・私立とも推薦入試の割合を増やすなど多様な生徒の個性に対応するよう、選抜方法を多様なものにし、その機会も増やしてきたのです。推薦入試のほかにも、学力試験での傾斜配点や学力試験と内申点との比重のかけ方の多様化など、現在では偏差値がストレートに反映しにくいさまざまな入試方法が行われています。

3.最後はやっぱり偏差値?
もっとも最近では事情がまた少し変わってきています。というのも、推薦入試は本来学校長の推薦書を必要とするものでしたが、最近ではできるだけ多くの生徒に受験機会を増やしてもらおうと、多くの府県で推薦書の不要な自己推薦型と呼ばれる入試に変更されつつあるからです。しかもそれらの府県では、それを前期試験、これまでの一般入試を後期試験と位置づけ、あわせて学力試験またはそれに近い適性検査を課すようになっています。また私立高校でも、推薦入試において適性検査を行い、ある程度教科の学力も見ようというところが増えてきていますから、学力を測る入試の占める割合が増加し、偏差値による合否判定の有効性が、再び広がってきているといえるかもしれません。

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