女は強し[中学受験]

 男の子は胃袋を思いさだめて、良い食事を与えると快感中枢を刺激して穏やかになる。ほどよい糖分が供給されて脳も活性化し、何より安定しているから勉強に精が出る。

 しかし、男の子より成長成熟の早い女の子は、5年生半ばくらいで思春期かと思うような場合もあるし、6年生ともなるとかなりの割合で思春期に入っているようにも思える。しかし、男の子と違ってその表れ方は穏やかだし、反抗していても勉強はしない、ということは少ない。少ないながらも勉強に実が入らない、勉強が身に付かない、ということはしかし多々ある。

 先日、『日経Kids+(プラス)』という、送られてきた雑誌を斜め読みしていると、篠原菊紀諏訪東京理科大学教授という方のコメントが載っていて、最近の脳の研究成果で思春期の脳は前頭葉の配線が丸ごと入れ代わってしまう、ということがわかった、と書いてある。

 それでそれがためにストレスに弱くて前頭葉のメモリーはストレス対応で手一杯になり、全く勉強には向かないのだそうだ。むしろ物思いにふける方があっているという。

 このあたりはまさに小学校6年生の女子や中学1年生の女子にピッタリとあてはまる部分がある。このことを考えると女の子のお勉強は、小学校5年生までに終える方がよいだろう、ということになるので、今の塾のカリキュラムは向いていることになる。(もっとも男の子はもっと成長成熟が遅いので、もう1年くらいは後にずらして丁度よい、ともいえるだろう。)とはいえ、今が小6ということでは、言っても始まらない。しかし「入試は間近に迫っているのに一向にやる気はない」といういわば難しいことになるケースが往々にしてあるものだ。

 こういう時に筆者の考えられる手は過去の経験から言うと、やはりよい先生のファイト一発の効き目である。勿論、美目秀麗がよいけれども、何をおいても重要なのは腕のよい男性の教師がいて、この教師がマメで気にかけてくれればよい。

 女の子は教師の回りに集まって、その指導者のロイヤルティを仲間と競うところがある。こうした女の子にまめな指導力のある教師であれば、一人ひとりに対してファーストネームで呼び、君だけにいうんだけれど、と個別のメニューを出してくれる。

 やはり女の子は男の子と違って一時の現象ではないので、食事という化学変化くらいで、現象として変化するということのない“実体”なのである。
 自らの存在に目をかけ、具体的に有益なアドバイスがないと実体としてはどうしようもないのである。ということで、母親としては余程よい先生を探してきて指導してもらう必要がある。少女達は指導者からしっかり養分を吸い取って必ずたくましくなるのだ。

プロフィール


森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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