キャッチフレーズから探る、大学の強み

 電車やバスをはじめとする公共交通機関、新聞や雑誌、ネット上のバナーなどで、大学の広告を目にしたことはありませんか。広告に使われているキャッチフレーズから、その大学の特色を探ってみると、進学先を考えるうえでのヒントになるかもしれません。


大学が訴えたい特長は何?

 大学の広告を見つけたら、キャッチフレーズに注目してみましょう。キャッチフレーズの役割は、短く印象的な言葉で「私たちはこういう大学です」とアピールすること。つまり、その大学がほかの大学に比べて強いと考えている教育や、力を入れている分野などが凝縮されているというわけです。複数の大学のキャッチフレーズを比べてみると、各大学のカラーやイメージをつかむのに役立つでしょう。

 

 

取り組みや実績を必ず確かめて!

 ただし、もしその大学を志望するのであれば、キャッチフレーズの「中身」を確かめることが大切です。たとえば「就職に強い」という趣旨のフレーズを掲げているのであれば、どんな就職サポート制度があり、どういった企業に何人が就職しているのか。その大学が本当に自信を持っているのなら、ホームページや大学案内に必ず具体的な裏づけが載っているはずです。

 

今回は、大学のキャッチフレーズの例を方向性に沿ってグループに分け、それぞれ「志望するなら確かめておきたいチェックポイント」を挙げてみました。

 

 

■<グローバル>系のキャッチフレーズ

・世界を目指せ-知の開拓者たち(北海道大学)

・女性の力を、もっと世界に(お茶の水女子大学)

・GO GLOBAL!-中央大学から世界へ。-(中央大学)

・「志」は、世界へと広がります。(同志社大学)

 

<チェックポイント>

社会のグローバル化に対応するために、世界で活躍できる人材の育成をめざす大学が増えています。ただし、ひと口に「世界で活躍する」といってもその形はさまざま。フィールドは欧米かアジアか、それとも国内で外国人を相手にするのか。めざす人材像と、それを実現するために用意されているプログラムを、チェックしておきたいですね。

 

 

■<地域貢献>系のキャッチフレーズ

・地域と共に歩む大学(園田学園女子大学)

・人とともに 地域とともに(島根大学)

・地域に根ざし、時代をリードする人材の育成と知の創造(北九州市立大学)

 

<チェックポイント>

特に地方には、地元の活性化に力を発揮する人材を育てる大学が多いようです。地域の歴史や特色を学んだり、現在抱えている課題の解決に携わったりする授業がどれだけあるかは調べておきたいところ。就職については、地元で働く人の割合や、過去1~2年の就職先を見るとよいでしょう。

 

 

■<成長重視>系のキャッチフレーズ

・面倒見のよい大学 入って伸びる大学(聖学院大学)

・育てて送り出す(目白大学)

・約束します、成長力。 -成長支援第一主義-(神奈川大学)

・ちょっと大変だけれど実力のつく大学です(共愛学園前橋国際大学)

 

<チェックポイント>

手厚いケアにより、入学時の能力を卒業までに大きく伸ばすことが、アピールポイントになっています。「ケア」の方法や「伸びる力」の具体的な内容が知りたいですね。「丁寧な指導を行う」などの抽象的な説明ではなく、教員数と学生数の比率や、伸びた力の測定方法などに注目しましょう。

 

 

■<ゼミがウリ>系のキャッチフレーズ

・現代の志塾(多摩大学)

・ゼミする東経大(東京経済大学)

・ゼミの武蔵 ゼミで磨く 世界を生きる力(武蔵大学)

 

<チェックポイント>

「ゼミ」とは、研究、話し合い、発表などを中心に行う、少人数の演習授業。文系の場合、一般的に3年次か4年次が最も力を入れる学年になりますが、そこでどんな取り組みを行うのか、それ以外の学年にもゼミ制度があるのかがポイントになります。学部・学科によって、取り組み内容や制度が異なることがあるので要注意。

 

 

※文中のキャッチコピーは、2015年3月時点に確認できたものです。現在は変更されている可能性があります。

 

 

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