自家用合宿のすすめ[中学受験]

 夏休みにしたいことは何もすべて夏期講習を受けなくては実現できないものでもない。よく考えておきたいのは学校のない時間がたくさんあることだ。もっとも通学に時間がかからないのが普通のケースのところ、通塾時間は大幅に増える恐れがある。

 ともあれ、日ごろより多く親子の時間がとれる。これを何につかうか。それは日々の学校では得られないものにつかいたい。第一に作業を伴うものがこれに当たり、第二にこれまでの反省点をふり返る学習に当てるのがよい。また、そのやり方だが、できれば楽しくなごやかに、あるいは達成感のある作品仕立てでやりたいもの。これらは多分に個別的なものだけれど、グループでやってみるのも気分一新で面白い。それから場所を考えたい。コンクリートやアスファルトジャングルではなく、緑の木々があり、できれば避暑地のようなところが嬉しい。無理なら近くの公園にすぐ出かけられるとよい。必ず50分くらいに1回の休憩を取りたい。実はこうしたことは毎週1回はやっておきたいことではあるけれど、無理なことをおすすめできない。

 しかし夏休みなら少し工夫すればいずれもそう難しくはない。よく観察できることはやはり子どもは自然のあふれるところに行くと伸び伸びと活発になる。塾なので勉強と自然観察などの企画があればそれを活用するとよいが、6年生になると案外ないところが多い。「合宿」などという形もないよりはよいので参加してもよいが、費用対効果を吟味したい。よく日ごろの弱いところが強くなる学習メニューかどうか。

 筆者などがお薦めしたいのは、安いセミナー室付きの避暑地でのグループ合宿だ。特に、志望校が同じか、違っていても少人数ならばメニューを考えやすい。指導者は親か、親が共同でお願いしたプロの方が望ましい。もっとも何日も出来ないからお盆の間の4−5日というのがとりやすいのではないか。そしてその間ならマトを絞って成果がきちんとわかるものに徹したい。学習意欲という点について言えば、夏休みに志望校に行ってみるのも一興だ。クラブは結構やっているので、学校の了解が得られるならクラブの練習なども見させてもらうと最高だ。サービス精神のあるところだと、先輩が“祈合格”などという色紙にサインくらいしてくれるかもしれない。親がやっておきたいことは、こうしたことをスケジューリングし、それとわかる表に仕立てて、出来ると何かの印をしてきちんと評価をしてあげることだ。一つ一つのものにテキスト1冊の仕上がりというような成果物が大切。これをやった、という達成感が自信と次の挑戦を準備する。そして何より親子の連帯感がかえがたい。余り多くをのぞまず、筆者などはそれだけでも大成果だと考えている。

プロフィール


森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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