早く始めて吉! 小学校英語・新課程で育った5年生のリアル

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2020年度に全面施行された学習指導要領で、3・4年生では英語を「外国語活動」として、5・6年生では英語を「教科」として学ぶようになりました。英語教育変革の年、2020年度に3年生だった今の5年生は、3・4年生の2年間「外国語活動」として英語を学んできた最初の子どもたちです。3・4年生の「外国語活動」の効果が5年生以降の英語学習にどうつながっているか、小学校英語で保護者は何に気をつければよいかを見ていきましょう。
※2023年1月時点

この記事のポイント

【データで見る】英語の授業で「聞く・話す」がうまくできた!
3・4年生の「外国語活動」の効果として感じている5年生が9割超

まず2022年の夏休みに5年生を対象に行った「英語学習についてのアンケート」のデータを見てみましょう。5年生の約9割が、3・4年生の「外国語活動」のおかげで、「聞く・話す」ことが英語の授業でうまくできた、もっとがんばりたいという学習意欲につながっている、と実感していました。「聞く・話す」を中心に授業で「外国語活動」の効果を実感し、さらにがんばりたいと思う、よい学習サイクルが生まれているようですね。
5年生では、聞いたり話したりすることに加えて、お手本を見ながら単語や英文を書いたりする学習に取り組む学校もあるようです。「アルファベットを書く」場面でも3・4年生の「外国語活動」の効果を実感しやすいのではないでしょうか。

今の5年生に聞いた
3・4年生の「外国語活動」のおかげと思っていること TOP5

※2022年7~8月実施の「英語学習についてのアンケート(Challenge English 編集部実施)」より。「3・4年生の『外国語活動』により、5年生から始まった英語の授業でよかったこと」について、5年生(546人)が回答。

3・4年生の「外国語活動」の効果は、日常生活でも実感されている

英語の授業以外でも、今の5年生は3・4年生の「外国語活動」の効果を感じているようです。いくつか挙がった声を紹介しましょう。

  • ・駅で、外国人の問いかけに返事ができた。町中で出会った外国人と少しお話ができたこと。「外国語活動」で外国人に慣れることができた。

  • ・日本語字幕にして英語版で映画を見ることができた! 何となく話していることがわかった!

  • ・町で見かける英語がわかって、迷わずに行けた!

※2022年7~8月実施の「英語学習についてのアンケート(Challenge English 編集部実施)」より。「3・4年生の『外国語活動』により、効果を感じたこと」についてのフリーコメント。

学校で学んだことが、すぐ普段の生活で役立ち楽しい思い出となれば、これ以上の学ぶモチベーションはありませんね!

5年生以降の英語学習につながる3・4年生の「外国語活動」

5・6年生になると、英語は成績がつく「教科」となり、授業時間数も3・4年生の倍、年間70単位時間になります。この5・6年生の英語学習は、もちろん3・4年生の「外国語活動」で行ってきたことがベースに積み上がっていきます。
たとえば、「外国語活動」で学んだ「気持ちを伝える」「好きなもの・好きなことのやりとり」は、5年生以降の「自己紹介」「自分のことを伝える」などのテーマへ、「時刻や曜日のやりとり」は「日課を伝える」「1週間の予定を伝える」などのテーマへとつながります。3・4年生で学んだフレーズをベースに豊かに表現できるようになっていくことを、5・6年生で実感していくことでしょう。

態度面も同様です。小学校英語は5年生で教科になっても、3・4年生の活動時と同様に積極的に授業に参加する態度が重要とされるので、お子さまは3・4年生のときと同じマインドで授業に臨むことができます。

小学校英語の授業(5・6年生)や評価について参考記事「小学校英語・教科化3年目の授業やテストはどんな内容? 中学校に向けて保護者ができるサポートとは?」

この先ずっと「英語をもっと学びたい」と思えるようになるために

3・4年生の「外国語活動」で「聞く・話す」活動に積極的に楽しんで取り組むことは大事です。5・6年生で英語が「教科」になっても「聞く・話す」ことをメインにコミュニケーション力を育むことにかわりはありません。「英語を聞くこと、話すことが楽しい」「伝え合うって面白い」の気持ちを「外国語活動」で味わっていれば、5年生からの英語の授業を同様に楽しむことができるでしょう。小学校で習得する単語や英文をたっぷり聞き、話す体験を積むことで、中学の「読む・書く」学習にスムーズに入っていけます。4月から3・4年生になるお子さまには「外国語活動」を、5・6年生になるお子さまには英語の授業を積極的に楽しむよう、お声かけしてみてください。

英語の教科書を親子で見て、知っている英語探しを

4月から小学校高学年、または中学生になるお子さまとは英語の教科書が配布されたら一緒にパラパラッと中身を見てみましょう。「これまでに習った英語あるかな?」と問いかけたり、文字だけではピンとこないかもしれませんので、教科書のQRコードを読み取って音声を聞いたりしてもいいですね。「聞いたことある!」「話したことある!」と、3・4年生の「外国語活動」や5・6年生の英語の授業の体験がいかされることに、お子さまは安心して新しい学年を迎えられると思います。

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