英語力向上なるか? 政府策定の「推進プラン」と「4技能学力調査」

英語力向上なるか? 政府策定の「推進プラン」と「4技能学力調査」文部科学省が「生徒の英語力向上推進プラン」を策定した。2019(平成31)年度からは、中学生全員に「読む」「書く」だけでなく「聞く」「話す」もテストする、「全国的な英語4技能の学力調査」を数年に一度実施し、今後10年間で生徒の英語力を飛躍的に高めたい考えだ。ベネッセ教育情報サイトでは、なぜこのようなプランや調査が必要なのか、教育ジャーナリストの渡辺敦司氏に話を聞いた。

 

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ますますグローバル化する社会を迎えて、国際共通語である英語教育の重要性が高まっています。多くの外国人が訪れることが見込まれる2020(平成32)年の東京オリンピック・パラリンピック開催を控え、英語によるコミュニケーション能力の育成も喫緊の課題です。一方で、生徒の英語力の現状はというと、「読む」「聞く」はもとより、「話す」「書く」に大きな課題を抱えており、「使える英語」には程遠いだけでなく、英語の学習自体が嫌いな生徒の割合も多いのが実態です。

 

現在の国の目標は、2017(平成29)年度までに、英語力の国際標準の一つである「ヨーロッパ言語共通参照枠」(CEFR=セファール)に照らして、中学校卒業段階でA1上位(英検3級程度以上)、高校卒業段階でA2~B1(同準2級~2級程度以上)の割合を、いずれも50%にすることを目指しています。2014(平成26)年度に目標を達成していたのは中学3年生で34.7%、高校3年生で31.9%。今回のプランでは、2024(平成36)年度にはいずれも70%に上げるという、あえて高い努力目標を掲げたものとなっています。

 

そのための強力な推進役として打ち出したのが、4技能の全国学力調査です。国はもとより各都道府県で具体的な目標を設定してもらい、調査結果に基づいて着実な改善を図ることを通じて、全体的な底上げを図っていきたい考えです。学校の授業でも、4技能のバランスが取れた英語力の向上が期待されます。

 

出典:英語力の「推進プラン」と「4技能調査」、なぜ必要? -ベネッセ教育情報サイト

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