英語を使う力が問われる高校入試 身に付けるための方法とは?
グローバル化に伴い「英語を使う力」の強化が求められている昨今、中学・高校の英語学習や入試の実態はどうなっているのだろうか。47都道府県の公立高校入試分析による、「英語を使う力」を問う問題と、これからの中学・高校生の英語学習の課題についてベネッセ教育総合研究所主任研究員・加藤由美子氏が解説する。
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グローバル化の重要性は長きに渡って叫ばれてきましたが、この10年の間に、その切実感はさらに高まってきました。そこで「10年前より今のほうが、『英語を使う力』を問う問題が増えているのではないか?」という仮説のもとに、2003(平成15)年・2013(同25)年の公立高校入試分析を始めました。その結果、「10年前から『英語を使う力』を問う問題は出題されており、その量はほとんど変わっていない」ということがわかりました。
さらに出題の傾向をみると、2013(同15)年のほうがより具体的な場面・状況、コミュニケーションの目的や相手が設定された出題が増えていました。ただし、学校での英語指導全体では、必ずしもそうとはいえません。そのため、「グローバル化に対応した英語教育改革実施計画」では、「英語で~ができる」という、Can-doリストによる目標設定を行おうとしています。「英語で日記が書ける」「道案内ができる」「意見を発表できる」といった目標に向けて、英語の知識と使う力をつなげていこうとしているのです。
大人も「英語の歌詞が聞き取れる」「外国人に英語で自己紹介できる」といったような身近なCan-doを実現できている姿を見つけたら、子どもをほめてください。小さなCan-doの積み重ねが自信となり、「もっと使ってみよう」という意欲につながります。「英語を使う力」は英語を使いながらでしか身に付かないのです。