お友達や先生との「ハグ」 第15回 [Oh,my Gooodness!]

親子で英語圏に住み、現地の学校に行きながら英語を学ぶ……。3歳の娘と母親である筆者は、夫のアメリカ転勤のために、そんな理想的な環境に飛び込むことになりました。果たして本当に「子どもは英語にすぐ慣れるから大丈夫」? アメリカに住みながら英語を学ぶメリットとデメリットとは? 筆者のアメリカ生活をとおして、日本に住むご家庭では、どんな取り組みができるのか考えていきます。
※「Oh,my Gooodness!」とは、「あらまあ!」という驚きを表すことば。

アメリカでは、日常のあいさつと一緒に「ハグ」をする場合がある。互いの肩や背中に腕をまわして抱き合うのだ。同性はもちろん、異性どうしでも親しければハグすることはよくある。
うちの娘が最初にハグしたアメリカ人は、デイケアで担任のひとりだったミス・メリッサである。彼女はお相撲さん並みの巨体の持ち主で、彼女がどっしりと腰をおろしていると、たいへんな威厳と迫力があった。娘は、最初ミス・メリッサに会ったときには一瞬たじろいでいたが、「ぎゅうー」と彼女の体にうずまるかのように抱きしめられ、一気に彼女が大好きになってしまった。

ミス・メリッサは、クラスの子どもたち全員を、朝に登園したときと帰りに別れるとき、必ずしっかりと抱きしめていた。うちの娘はいつも「きゃあーやめてー」と体をすくめながら大喜び。普通ハグというともう少し軽い感じだが、ミス・メリッサのハグはけっこう力強い。私も何度か彼女とハグしたことがあり、「こんなにやわらかくてあったかいハグをされて嫌な子どもはいないだろうなあ」と感心してしまった。

ある日気が付いたのだが、ミス・メリッサはハグする前に、「Give me a hug.」と言っていた。ハグしてよ、という表現だ。娘のクラスのお友達も、私が娘と帰ろうとすると、次々に「Give me a hug.」と言って両手を広げて、娘を待っている。それなのにうちの娘は「やだ」と言って私から離れようとしない。

お友達は娘がハグしてこないのでがっかりした表情を見せて、広げていた両手をおろし、ハグをあきらめる。せっかく好意を示してもらったのに……と私は歯がゆかったが、娘には抵抗があったのだろう。日本では、先生に抱っこしてもらうことはあっても、友達と挨拶として抱き合うことはなかったので、仕方ないだろう。その後、3カ月ほどかかって、娘はお友達とハグができるようになった。

何のために英語を学ぶのか、それを突き詰めていくと、最終的には外国人とコミュニケーションをとることが大きな目的のひとつになってくる。英語力とは直接関係ないボディランゲージであるが、子どもがアメリカ人と話す機会を考えると、ハグはできないよりはできたほうがいい。こうやって体に触れることで、お互いの心理的な距離が大きく縮まり、英語でのやりとりもぐっとスムーズになるものだ。日本人としては必要ない作法だが、握手と同じようなものとして子どもに覚えさせておくと、いざというときに役立つだろう。

プロフィール

山本美芽

音楽・ノンフィクションライター。中学校教諭、養護学校教諭からライターに転身。現在は音楽と教育をテーマに執筆活動を行う。著書に「りんごは赤じゃない 正しいプライドの育て方」「子どものセンスは夕焼けが作る」など。2006年3月より米カリフォルニア州在住。1児の母。

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