親子で取り組む「ニガテ克服」プロジェクト!
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いよいよ学年総まとめの3か月が始まりました。できれば今の学年のうちに「苦手」を克服させてあげたい。でもどんなふうにサポートしたらよいのだろう、とお考えのかたに、ご家庭でできる、お子さまの苦手克服の手順とコツについてお伝えしたいと思います。
(赤ペン先生 河原)
「ニガテ克服」をプロジェクトにしてみませんか?
今年度習ったことをしっかり理解できているのかどうか。学年末のこの時期になると、そんなことが気になり始めますね。けれど、おうちのかたの手が離れつつある高学年では、お子さまの状況は「ちょっとよくわからない」ことがほとんどではないでしょうか。
「ちゃんと理解できている?」と聞いてみても「大丈夫、大丈夫」なんて生返事があるばかりで、かえって心配に。こんな感じでは「苦手克服」のサポートなんてとてもムリ、それに高学年の問題は意外と難しいから教えてあげる自信もないし、うっかり口を出したらかえって混乱を招きそう、と思ってしまうかたもいらっしゃるかと思います。
そこでご提案したいのは、おうちのかたに「苦手克服の伴走者」となっていただくことです。苦手なことができてしまった時、一人きりでそれに向き合うのは大人でも気力が必要ですね。一緒に乗り越えようとしてくれるパートナーがいたらどんなに心強いでしょう。
苦手と感じることを、どう乗り越えたらよいのか、乗り越えたらどんな気持ちになるのか。学年末に向けて、それらをお子さまに体験してもらうための「ニガテ克服」プロジェクトを立ち上げてみてはいかがでしょうか。
「ニガテ克服」プロジェクトの進め方
では「ニガテ克服」プロジェクトはどのように進めていけばよいのでしょうか。おすすめの手順と進め方のコツをお伝えしたいと思います。
1.お子さま自身に「ニガテ」の優先順位を決めてもらう
まずお子さまに、苦手な「単元」はどこかを聞いてみましょう。「苦手な勉強はある?」と質問すると「計算」「漢字」「社会と理科」など、どこから手を付けてよいのか……という答えが返ってくる恐れがあるので、教科書の目次などを見ながら、「ここ」と指差をしてもらうのがよいと思います。
「ここも」「あ、これも」と「ニガテ」が次々に出てくるような場合には、克服したい優先順位をお子さま自身に決めてもらいましょう。その順番で、1単元ずつプロジェクトを推進していきます。
2.「つまずき」を探る
「ニガテ」の裏側には必ず「つまずき」があります。「つまずき」とはお子さまの「?」が解消されないままに学習が終了した箇所のことです。恐らくお子さま自身、どこにつまずいたのかわかっていない状態でしょう。ですから少し遠回りに思われるかもしれませんが、その単元の始めから「教科書を一緒に読んでみる」ことをおすすめします。
教科書は、丁寧に読むと自然に例題の解き方へと導かれるように書かれているので、おうちのかたも読んでいるうちにその学習を思い出し、アドバイスにつなげることができます。
授業中にうっかり聞き漏らした箇所や、勘違いして覚えていた箇所をもう一度たどることで、「そういうことか!」とあっという間に単元全体を理解できてしまう場合が多々あります。シンプルですが、「つまずき」を探るには案外早道な方法になるかと思います。
3.練習は基本問題を中心に
「つまずき」が解消されて基本問題が解けるようになったら、もっと難しい問題に挑戦してもらいたい気持ちを抑えて次の「ニガテ」に移りましょう。プロジェクトの目的は「つまずきが解消できた!」「問題が解けるようになった!」という気持ちを味わってもらうことにあるため、いったんここでストップ。
難しい問題に進んでしまうと「できなかった」という気持ちが残ってしまう危険があります。応用問題を解くのは、ひと通りの「ニガテ」が解消されてからでも遅くはないでしょう。
まとめ & 実践 TIPS
プロジェクトを実施しても、問題をスラスラ解けるようになったり、テストの点数が一気にアップしたり、という劇的な変化は起こらないかもしれません。
でも「ニガテ」を1つクリアするたびに体験できた達成感は、お子さまの「挑戦しようとする力」を後押しするはずです。苦手と感じたことでも、やり直すことで克服できる。そう思える力は今後ますます必要になるでしょう。
「ニガテ」の山を乗り越えようとがんばるお子さまに伴走するのは、おうちのかたにとっても、きっと楽しいプロジェクトになると思います。
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