少しの言い換えで子どもの心が動く すぐにできる学習面でのほめポイント【小学校低学年】
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お子さまが赤ちゃんだったころ、笑えばほめ、何かをつかめばほめ・・・その一挙一動に目尻を下げて、かわいいわが子をほめていたのではないでしょうか。そして、どのおうちのかたも「うちの子がいちばん!」と思っていたはずです。
それがいつしか、できるのが当たり前になってしまい、あれもできない、これもできない、なんでうちの子はこうなのか・・・と思ってしまうこともあるのではないでしょうか。
今日から発想の転換をして、「うちの子がいちばん!」と、お子さまをたくさんほめていきましょう!
(赤ペン先生 吉田)
ポジティブな言い方が子どもの心を動かす
おうち時間が増えると、お子さまのできないことの方に目がいってしまい、余裕をもって接することが難しいこともありますよね。おそらく、イライラするときは、お子さまの行動が、おうちのかたの意に反する場合ではないでしょうか。
つい「なんでこんなこともできないの!」といった言葉をぶつけてしまう・・・ますます事態は悪化。そうならないように、おうちのかたは自分のためにも、言い方を変えていきましょう。たとえば、次のような言い方はいかがでしょうか。
・「いつまでゲームをやっているの!宿題はやったの?」→「すごい集中力だね!その集中力があれば、宿題なんてすぐできちゃいそうだね。」
・「もっと、ていねいに書きなさい!」→「すごい!こんなむずかしい字が書けるんだね。ゆっくり書いたらもっと上手に書けるよ!」
このように、部分的に良いところを見つけ、「こうすればもっとよくなる!」「あなたならきっとできる!」とお子さまを信じて、声かけをしてみてはいかがでしょう。言葉で行動は変わります。
お子さまができるようになったことを書き出してみよう!
字が書ける、くり上がり・くり下がりの計算ができる、九九が言える・・・そんなことできて当たり前だと思われるかもしれませんが、最初からできていたわけではありません。お子さまの努力があったからこそできるようになったのです。完全体でなくても、全くできなかったことができるようになったことは、お子さまにとっての進化・成長なのです。できて当たり前と思わないで、「できることはすごい!」と思いましょう。
たとえばこの1年間でお子さまができるようになったことを10個(10個と言わず、多ければ多いほどよいです。)、紙に書き出してみてはいかがでしょう。学習面に限らず、どんな些細なことでもよいです。
できるようになったことをおうちのかたとお子さまで、交互 にあげていくと、お子さま自身も、自分を客観的に評価し、意識することができるので、自己肯定感も高まります。そして、書いた紙をリビングなど、よく目に入るところに貼っておくのです。表彰状みたいにデコレーションすると、お子さまはさらに喜びそうですね。目にするたびに、「こんなこともできるようになってすごいね!がんばったからだね!」「毎日続けられてえらいね!」などと、結果だけでなく、その過程もほめるようにしましょう。
できないところばかりを指摘され続けると、萎縮して、できるものもできなくなってしまいますが、過程を含めほめられると、「自分ならできる!」と自信がつき、ますますできるようになります。ほめることは、お子さまの学習意欲を助長します。
子どもの心の奥にあるものに目を向ける
「赤ペン先生の記述力指導」を白紙で堤出してくる子は一定数います。(白紙でも、いったんは、勉強しようとして、机に向かった姿勢はりっぱなものです。)
指導するときは、「見ただけで、難しい、わからないと思ってしまったのかな。」「頭の中に答えは浮かんだけれど、いざ書くとなると、どう書いてよいかわからなかったのかな。」などとあれこれ考えを巡らせ、何とか次の取り組みにつなげられるように、取り組もうとした姿勢や過程などを認めたり、「こうすればきっとできるよ。」「こうしてくれるとうれしいな。」などのようなアドバイスをしたりします。それを機に、順調に取り組むようになる子もいますが、なかなか取り組みが安定しない子もいます。
そんな中、学年最後の「赤ペン先生」へのメッセージに、「たのしい」と元気いっぱいの大きな字で書いてくれた子がいました。その子は、1年間毎月堤出はできていましたが、白紙だったり、取り組んでいても誤答が多かったりしていたので、「たのしい」は、私にとって、思いがけない言葉のプレゼントでした。
同時に、はっと気づかされたことがありました。
それは、「見えている現象だけで判断しない」ということです。答案上の結果には表われていなくても、この子の内面には、「たのしさ」が育っていたのです。すばらしいことです。なぜなら「楽しい」のパワーはすごいからです。「楽しい」というみなぎる気持ちがあれば、この子はこの先、どんどん伸びていけると思います。
わたしたち大人は、ともすると、すぐに「結果」を求めてしまいがちですが、目に見える形として表われていなくても、子どもの内に潜んでいるもの、裏側に隠れているものを見ようとすることが、いかに大切であるかということを改めて感じさせられました。
「ゆっくりでいいよ。あなたには伸びしろがたくさんあるよ!」と、子どもの内に秘められた宝物を損なわないように、見守り、育んでいきたいですね。
まとめ & 実践 TIPS
おうちのかたは、日々、お子さまのことを真剣に考え、子育てや教育をより良くしようと、悩み、試行錯誤されていると思います。それは本当に尊いことです。お子さまを大切に思う気持ちにあふれています。
お子さまをほめるのと同様に、どうぞ自分のこともほめてあげてください。お子さまをほめられないときがあっても、自分を責めないで、「ほめたい」と思うその姿勢そのものを、まず、ほめてあげてください。自分をほめると、それまでは見えていなかったお子さまの側面も、きっと見えてくるはずです。
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