大ヒットアニメ『はたらく細胞』は面白くて役に立つ!キャラを覚えたら体の仕組みを楽しく理解できる理由

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「お待たせしました! こちら本日分の酸素になります!」

大人気アニメ『はたらく細胞』のセリフです。ブームのおかげで、「細胞」「赤血球」といった言葉も小学生の間でおなじみになりました。『はたらく細胞』は多種多様な細胞達を擬人化し、体の仕組みと細胞の働きをわかりやすく教えてくれる細胞擬人化ファンタジー。2015年に原作となる漫画『はたらく細胞』が発表され、シリーズ累計発行部数は500万部を突破。アニメ化、さらには舞台化もした人気作。

今年4月には、厚生労働省と共に新型コロナウイルス感染症の注意喚起を呼びかける漫画を配信。教育機関・医療施設にも素材を提供するなど、今なお話題は尽きません。

細胞の働きぶりがわかるだけでなく、子どもも大人も夢中になるのはなぜでしょう? まだ見たことがない人は、これからでも大丈夫。その魅力をおさらいしていきます!

この記事のポイント

『はたらく細胞』の魅力1:細胞を擬人化しているから覚えやすい!

わかりやすく学べる一番のポイントは、赤血球や白血球といった細胞達が擬人化され、彼らの“お仕事”から体の仕組みが学べること。私たちが寝ている時も、起きている時も、休むことなく働き続けている細胞達。名前を聞いて「習ったことはあるけど何だっけ?」と思った人も、これならしっかり記憶に残るはず。ここで紹介する細胞以外にも、たくさんの細胞達が登場します。

キャラ1:赤血球

TVアニメ『はたらく細胞』第1話「肺炎球菌」より ©清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction

作品の主人公、赤血球。血液循環により体中に酸素を届け、二酸化炭素を肺に運搬するのが役割。ヘモグロビンを多く含んでいるので赤い。新人なので血管内で迷子になることも。

キャラ2:白血球(好中球)

TVアニメ『はたらく細胞』第1話「肺炎球菌」より ©清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction

主な仕事は外部から体内に侵入した細菌やウイルスなどの異物を排除すること。凶暴だと勘違いされ細胞達から怖がられることもあるが、実は面倒見がいい。

キャラ3:血小板

TVアニメ『はたらく細胞』第2話「すり傷」より ©清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction

血管が損傷した時に集合し、傷口をふさいで止血する血液成分の一種。他の細胞に比べて小さい。血小板のみんなで協力しながら仕事をしている姿がキュート!

キャラ4:マクロファージ

TVアニメ『はたらく細胞』第6話「赤芽球と骨髄球」より ©清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction

細菌などの異物を捕らえて殺したり、抗原や免疫情報を見つけ出したりするほか、死んだ細胞や細菌の片付けをする掃除屋のような役割もある。にこやかな表情だが殺傷能力が高い。

キャラ5:キラーT細胞(メモリーT細胞)

TTVアニメ第2期『はたらく細胞!!』第4話「ピロリ菌/抗原変異」より ©清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction

ヘルパーT細胞の命令によってウイルス感染細胞、がん細胞などの異物を認識・破壊する殺し屋。筋肉隆々の屈強な見た目と、体育会系な威勢の良さが特徴。

キャラ6:NK細胞

TVアニメ『はたらく細胞』第7話「がん細胞」より ©清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction

全身をパトロールし、がん細胞やウイルス感染細胞を見つけ攻撃する。好戦的な性格。

『はたらく細胞』の魅力2:大事な体の仕組みがわかる

24時間365日、休むことなく働く細胞達が何をしているのか? 実は、私たち人間のあずかり知らぬところで、細胞達の間には静ながら壮大なドラマが生まれているのです。仕組みをドラマとして紹介することで「覚えなくちゃ……」と構えることなく理解できるのも大きな魅力。細胞達の何気ない言動にも、その細胞の特性や役割が反映されています。細かい部分までじっくり見てみましょう。

細胞達はインフルエンザウイルスをどうやって倒す!?

TVアニメ『はたらく細胞』第3話「インフルエンザ」より ©清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction

敵と一度も戦ったことのないナイーブT細胞が遭遇したのは、インフルエンザウイルス。怯えるナイーブT細胞のもとに現れた白血球(好中球)とマクロファージ。倒したインフルエンザウイルスの死体をもとに、マクロファージは連絡機関である樹状細胞に情報を伝える。怯えるばかりのナイーブT細胞は、ちゃんと敵と戦えるのか……!?
このエピソードでは、インフルエンザが治癒するまでの細胞の働きと、ナイーブT細胞の成長を描いたもの。インフルエンザがウイルスとしてなぜ強いのか、また、それに対抗する細胞達の連携が見どころです。

熱中症になると細胞達も大パニック

TVアニメ『はたらく細胞』第11話「熱中症」より ©清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction

うだるような暑さに包まれた体内世界では、残された水分が残りわずかに。発汗してもうまく体温冷却できず体温は上がり続け、異常な血流増加が続く。白血球(好中球)も暑さでバテてしまい、暴れまわる細菌相手に力が出せない。そしてついに…!?
改めて熱中症の恐ろしさを知れる回です。夏になると何度も聞く「こまめな水分補給」。体温調節のために必死な細胞達のようすを知れば、ますます「気をつけよう」と思えるはず。

ニキビの原因・アクネ菌 VS 白血球の熾烈なバトル

TTVアニメ第2期『はたらく細胞!!』第3話「デング熱/ニキビ」より ©清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction

毛根で炎症反応を感知した白血球(好中球)。毛穴で働いていた細胞達によれば、ある時アクネ菌がやってきて、支配されてしまったのだという。「ここはもはや、単なる毛穴ではなくニキビなのです」と悲しそうに語る。そこにアクネ菌の大群が押し寄せて……!?
子どもの悩みのタネでもあるニキビがどのようにしてできるのか。人間からすればニキビができても命に関わることではありませんが、毛穴ではこんな壮絶な戦いが繰り広げられていたんですね。

『はたらく細胞』の魅力3:細胞の成長ぶりに、感情移入できる

キャラと細胞の特徴がぴったり合っているだけでなく、働くうえでのトラブルお悩みに「あるある」とうなづけるストーリーも魅力。特に、赤血球の不器用ながらもまっすぐな姿勢は、思わず応援したくなってしまいます。

世界を揺るがす危機。その時、赤血球は……?

TVアニメ『はたらく細胞』第12話「出血性ショック(前編)」より ©清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction

TVアニメ『はたらく細胞』第13話「出血性ショック(後編)」より ©清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction

新人赤血球の教育係を任されはりきる赤血球。でも、相変わらず迷子になったり他の細胞に怒られたりドジばかり。ある時、大きな爆発音と共に細胞達が生活する街が崩壊する大事件が発生。それは、生命に関わる緊急事態だった……。
人の死は、細胞達にとって世界の終焉を意味します。万が一、その危機に面した時に細胞達に何が起きるかが描かれます。頼りなかった赤血球が最大の危機に奮闘する姿に胸がいっぱいに。細胞ひとつひとつの働きがあって成り立つ命。今この瞬間も彼らががんばっていると思うと、生きることのすばらしさが感じられますね。

スピンオフや関連書籍も。年齢や好みに合わせて選ぼう

TVアニメ『はたらく細胞』は現在第二期まで制作・公開されています。原作コミックはもちろん、スピンオフ漫画も豊富。男性、女性、赤ちゃんの体と、性別や年齢によって異なる細胞の働きも学習できます。児童向けには図鑑小説、小さなお子さんには絵本もおすすめ。体の仕組みを一緒に知りましょう!

まとめ & 実践 TIPS

大切な知識がいっぱいで、楽しく学べる『はたらく細胞』シリーズ。この記事を読んでいる間も細胞達のお仕事は続いています! こんなドラマがあるなんてワクワクしますよね。ぜひ親子で細胞達の世界をのぞいてみてください。
執筆/川俣綾加

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TVアニメ『はたらく細胞!!』公式HP https://hataraku-saibou.com/

『はたらく細胞(1)』
(清水茜:著/講談社)

『絵本 はたらく細胞  ばいきんvs.白血球たちの大血戦!』
(牧村久実:作・絵 清水茜:原作/講談社)

プロフィール

清水 茜

第27回少年シリウス新人賞大賞受賞後、「月刊少年シリウス」にて『はたらく細胞』を連載。

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