【Q&A】中学生のお小遣い事情 平均相場や使い道は?
中学生のお小遣い事情はどんな状況なのでしょうか。中学生になると、欲しい物の値段が高かったり、友だち付き合いがあったりして、お子さまにお小遣いアップをお願いされる場面もあることでしょう。この記事では、中学生のお小遣いの金額や相場、使い道などをご紹介します。ご家庭でお小遣いについて考え、家族で話し合うときなどに参考にしてみてください。
Q 中学生はお小遣いをもらっているの?
「2023年中学生・高校生のお小遣い事情に関する調査」(TesTeeテスティー調べ:https://www.testee.co)によると、お小遣いをもらっていない中学生は26.8%、一方もらっている中学生は73.2%。お小遣いを受け取っている中学生がとても多いことがわかります。
さらに、2022年に行われた前回の調査72.3%から0.9ptアップ2021年の前々回しているのです。コロナ禍の巣ごもり需要でスマホやタブレットなどがより身近になったことで、ネット上で様々な情報を得やすくなり、購買意欲が高まった影響が、感染状況が落ち着いてきた中でも継続しているのかもしれません。ただ、金銭の感覚はご家庭それぞれです。大多数の親がお小遣いをわたしているからと、必ずしも便乗する必要はありません。子どもの成長はそれぞれです。小学生でお小遣いを渡してこなかったご家庭でいきなりお小遣い制を始めて、管理ができず浪費するなんてことのないよう、前段階を踏んでからお小遣い制を始めていただきたいものです。
もう一点、バンダイの「小中学生のお小遣いに関する意識調査」結果もご紹介しておきます。
この調査結果からも、小学生よりも中学生になったほうが定期的にお小遣いをもらっている割合が増加しているのがわかります。さらに興味深い結果として、約4人に1人の子どもが祖父母からお小遣いをもらっているようです。
図表1 TesTeeから https://lab.testee.co/2023-teensmoney
図表2 (株)バンダイから
Q 中学生のお小遣い、いったいいくらあげるのが正解?
「2022年 中学生・高校生のお小遣いに関する調査」では、ひと月にいくらもらっているかというかの調査も行われています。下記の結果を見てみましょう。
図表3 TesTeeから
一番多いのは、1000~3000円未満の55.0%です。
この金額は、一般的に大人が子どもに渡す金額としても妥当という感覚をお持ちの方は多いでしょう。
ただ、この金額を渡して1ケ月の間、追加でお小遣いを渡さないで済むかどうかは別問題です。例えば、中学生ならば、友達同士で映画に行くこともあるでしょう。そうなると、一日で交通費、映画代、昼食代、お茶代などで、この程度の金額なら使い切ってしまうでしょう。
ここで、疑問がわきます。もしかしたら、遊びに行くときには、この1000~3000円とは別にお小遣いを受け取っていたのかどうかということ。となると、上記の調査結果の「お小遣い」はご家庭によって、含まれるものが変わってくる可能性があるということです。
この結果を見て、「じゃあ中学生には1000~3000円程度渡せばよいのね」という感想を持ってしまわないようにしましょう。また、祖父母からのお小遣いも含まれていないはずです。もし、祖父母などから小遣いを受け取っている場合には、子どもにすぐに渡すよりも、一旦親が受け取り、親のお小遣いと一緒に、「いくら使うのか」「予備として子どもに自由にさせるお小遣いとして渡すのか」「一部使って一部貯金に回すのか」を親子で話し合っておきましょう。
子どもへのお小遣いは、パラパラと渡すのではなく、一括管理するといいでしょう。祖父母が直接孫に渡して喜んでもらいたいという気持ちもわかりますが、子どもにしっかりとした金銭感覚を持ってもらいたいという親の希望に理解を求めてみましょう。
Q 中学生のお小遣い。どんなことに使っているの?
お小遣いの使い道についての調査結果も見てみましょう。「2023年 中学生・高校生のお小遣いに関する調査」では次のように示されています。
図表4 TesTeeから
中学生以降は行動範囲が広がるため、「交際代」が、お小遣いを使う理由として最大の理由になるのは当然です。
これは予想通りといえますが、少し意外な使い道が、「貯金」です。コロナ禍の中、親が失業したり、収入が激減したりという、直接の影響を受けた子もいるでしょうが、ニュースなどで、企業の業績悪化や破産などを聞いて、将来への不安が貯金に向かわせたのか理由はわかりませんが、意外と堅実な結果が出たことには驚きを隠せません。
ここで、もし子どもが貯金をしているのであれば、親として「えらいね」と褒めるのはもちろんですが、ついでに目標を持たせてあげましょう。通常のお小遣いでは買うことのできない、高価なゲームなどの娯楽品、もしくは将来の大学進学費用など、ある程度の目標額を設定することで、楽しんでさらに貯金を続けることができるでしょう。
Q お小遣いのあげ方。必要な時にその都度渡す?それとも毎月決まった日に渡す?
中学生のお小遣いは、1000~3000円の幅が一番多いということをご紹介しましたが、毎月決まった額を渡しながら、実際には、追加で必要な時に渡しているというご家庭は多いと思います。
はじめて中学生からお小遣い制を始める場合、親も試行錯誤しながら進めていくことになりますが、ルールはきっちりと決めておきましょう。
中学生になると身体も大きくなりますし、大人のような口をききますし、親がその場しのぎのルールを行使すると、かえって反発する可能性があります。せっかく始めたお小遣い制がとん挫しないよう、手始めに、定額を決まった日に決まった金額を渡すことですが、その金額は毎月同じにする必要はありません。
毎月、「いくら」必要なのかを親子で話し合ってみましょう。例えば、新しい友人と映画に行くという予定があるなら、映画代と飲食代、交通費などいつもより「いくら」多く必要なのかを計算させてみましょう。その都度、「渡してもらえる」という感覚が育ってしまうと、子どもが工夫することが無くなりますし、親もいくら渡しているのか、わからなくなってくることもあります。
原則として、お小遣いは月1回、もしくは2週間に1回など、一定期間で区切り、それ以外は渡さないという取り決めをしておきましょう。
Q 中学生にちゃんとお小遣いが管理できるの?
「自分の子どもの金銭感覚は優れている!」と言い切れる保護者はいったいどれくらいいるでしょう。ファイナンシャルプランナーという、いわゆる「お金の専門家」といわれる私でも、子どものお小遣い制をはじめたものの、予想と異なる事態が数多く起こり、本当に困りました。お小遣いのあげ方に正解はありません。
ただ、お小遣い制を始めたときには、必ずしてほしいこと。それは、お小遣い帳をつけることです。紙でちゃんと書ける子であるのであれば、知るポルト(https://www.shiruporuto.jp/public/family/training/kozukai/)のサイトから無料でダウンロードしてみるのもいいでしょう。
また、中学生であればほとんど自分用のスマホを持っているでしょうから、「お小遣い」「アプリ」「中学生」などのワードで検索してみると、たくさんの無料アプリを探すこともできます。
大事なのは、自分がいくら使っているのかを把握させること。
最初から管理できる子はいません。1000円渡されても、最初の1週間で使いきってしまうときもあるでしょう。ここで、お小遣い制をやめてしまわないようにしましょう。何度も失敗するのは仕方ないと大きく構えておきましょう。
とにかく、試行錯誤しながらも続ける、これが一番大事なことです。
出典:
TesTee(テスティー)
「2023年 中学生・高校生のお小遣い事情に関する調査」
https://lab.testee.co/2023-teensmoney
「2022年 中学生・高校生のお小遣いに関する調査」
https://lab.testee.co/2022-teensmoney
https://www.testee.co
株式会社バンダイ「小中学生のおこづかいに関する意識調査」結果
https://www.bandai.co.jp/kodomo/question251.pdf
知るポルト
https://www.shiruporuto.jp/public/family/training/kozukai/