家庭学習の意欲を親が阻害しているかも? 130万人に支持されるYouTuber葉一さんに聞いた、注意しておくべき6つのポイント

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社会に出ても役立つ学ぶ意欲や自発性。子どもの頃から取り入れたいと考える親御さんも多いのではないでしょうか。しかし、共働き家庭や子どもの習い事、学校行事やクラブ活動など、家庭内スケジュールが増加している現代では、勉強の習慣づくりも至難の業。
また「子どものために」と思ってやっていることが、かえって逆効果だった、ということもよくあることです。
YouTubeチャンネル「とある男が授業をしてみた」を9年前よりスタートさせ、小中高校生ら130万人を超えるチャンネル登録者から、圧倒的な支持を集めている教育系YouTuber葉一さんに、家庭学習の意欲のために親が注意しておくべき6つのポイントを教えていただきました。

この記事のポイント

食事の時間を決めて伝えておく

やっと勉強がのってきたと思っても、途中に「食事よ〜」という集合がかかると、一気にその熱も冷めてしまうもの。学習効率を下げないためにも、「今日は何時にご飯の予定だよ」と知らせてあげると、それに合わせて勉強の配分を自分で決められるようになります。
子どもと大人では体感が違うといわれているように、親の「もうすぐ」と、子どもの「もうすぐ」の長さは大きく違います。ですので、だいたいの家族の予定を提示しておくことで、子どもが集中して勉強に取り組めるようになりますし、「食事の時間までに宿題を終わらせたい」→「今日の宿題にかかる時間は?」→「そのためには何時に宿題を始めれば良い(だから何時までは遊んでいても大丈夫)」というように、自発的にタイムスケジュールを考えるきっかけづくりにもなるんです。

もちろん、はじめから逆算して考えるタイムマネジメントは難しいと思うので、そこは親御さんが一緒にお子さんの習慣をつくってあげてください。

丸付けはすぐにする

子どもの勉強の丸付けはだいたい親の仕事。しかし親の都合で「あとでやるね」となりがちですよね。子どもの勉強効率を優先すると、後回しにすることなく、すぐに丸付けしてあげることが大切です。例えば、ある問題でミスをしていたとしても、問題を解いてから時間が経ってしまうと子どもたちの解いた記憶がかなり残らなくなってしまいます。そこで間違いを指摘しても「間違えた」という事実だけが残り、「次にミスしないようにするため」につながりにくいのです。逆に、すぐ丸つけをすると解いた記憶が強く残っているため、改善がしやすく次に繋がりやすくなります

どんなに疲れていても、勉強のルーティンは崩さない

学校行事や家庭のスケジュールで疲れている日でも、毎日のルーティンを崩さないことが習慣づくりには大切です。「今日も勉強した」「昨日よりレベルアップした」という達成感を与えるために、たとえば5分の学習や、漢字一個の暗記でも良いので続けていきましょう。毎日30分などハードルを上げると勉強が苦痛になってしまうかもしれないので、量は気にせず、少しでも勉強したら褒めたり、スモールステップの成功体験を積み重ねてあげてください
ただし、タイミングには少しだけ注意が必要です。疲れて乗り気でない時は楽しいクイズ方式でも効き目が出にくいので、帰宅してから就寝するまでに子どもとコミュニケーションをとり、勉強を促すタイミングを見てあげると良いと思います。

暗記ものは同じ日、または翌日に繰り返す

小学生のうちは勉強のやり方が掴めていない子も多いです。なかには「忘れてしまう」という概念がそもそもない子もいるので、反復学習の重要性については親御さんが是非サポートしてあげてください。まずは簡単にできる空書やクイズ方式を積極的に取り入れることをおすすめします。
その他にも、お子さんのサポートという点では信じて見守るということも大切です。
昔、担当していた塾の生徒に、指で数えながら算数の問題を解いている小学三年生の子がいました。「指で数えるのをやめさせたい」という親御さんの意見もありましたが、私は、指を数えながらでも正解を導こうとしている姿勢をたくさん褒めました。結果的に、自然と指で数えることもなくなっていきました。つまり、子どもたちは反復学習することで確実に成長し、取り組み方も必ずアップデートされていくのです。
周囲の成長速度と比べて不安になることもあるかもしれませんが、親ができることは、スモールステップの成長を見逃さず、きちんと褒めること。これが子どもの学習成長には重要だと思います。

机に座らないラフな勉強を組み込む

勉強といえば、机に座ってやるイメージがあるかもしれませんが、それだと勉強へのハードルが高くなりがちではないでしょうか。しかしよく見ると、子どもたちが学ぶ機会は日常生活のなかにたくさんあります。
たとえば、お風呂時間。私は息子たちと一緒にお風呂に入りますが、数字が好きになって欲しくて、幼い頃から毎日お風呂で算数や数字クイズをしています。長男も次男も、初めは指をつかって数えるところから始めましたが、今では4歳の次男ですら5+4くらいの足し算をすぐに解答できるようになりました。これなら遊び感覚なので楽しめますし、勉強だと身構える必要もありません。リラックスタイムも学びの場にできると、親も楽で楽しいですよね。
またその他にも、ご家庭に簡易的なホワイトボードや壁に貼れる黒板を導入するのもおすすめです。こうしたツールのメリットは気軽にいつでも書けるところ、そして親子で一緒に見られるところです。勉強というのは一人で机に向かっていると時に孤独になるかもしれませんが、ホワイトボードなどを使うと、親子で時間を共有し、同じ問いに向かえるので、コミュニケーションも取れますし勉強が楽しくなります。

デジタル学習も取り入れ方次第!

長い歴史のある参考書のように、デジタル学習教材も今後ますます進化していく可能性を秘めています。しかし、参考書かデジタル教材かに関わらず、正しい教材選びで大切なのは「子どもがやりたいかどうか」です。意欲や興味によって学習における吸収率は10倍にも、100倍にも上がります。勉強を頑張るのは私たち親ではなく、子どもですから、フィットした教材かどうかもきっとお子さんが発見してくれるはずです。
実際にデジタル学習教材を検討されているご家庭では、一緒に商品やサービスを閲覧しながら、選択肢を見せてあげることをおすすめします。私も親になってまだ7年目なので試行錯誤しながらですが、子どもの学ぶ環境を整えるという目的にもかかわらず、親の主観はつい入りがち。自戒の念を込めて「親が主役のように動かない」ということは常に意識しています。

文:関川まお

第一回 塾に行かなくても家庭学習を「自分でやる子」になる秘訣とは? 130万人に支持される教育系YouTuber葉一さんに聞いてみた

第二回 自宅学習のプロフェッショナルに聞いた! 成績が上がらない子がやりがちな、やってはいけないNG勉強法【教育系YouTuber葉一】

まとめ & 実践 TIPS

「自分でやる子」になるヒントは日常の中にたくさんあります。既成観念に囚われず、遊びや生活のなかに「学び方」を取り入れることがおすすめです。スモールステップの成功体験を繰り返すことで自信をつけてあげましょう。

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プロフィール

葉一(はいち)

1985年、福岡県生まれ。東京学芸大学教育学部卒業。営業職、学習塾講師を経て、塾に通えない生徒にも学習の幅を広げる機会を与えたいというモチベーションから、2012年に教育系ユーチューバーとなる。運営するYouTubeチャンネルは、「とある男が授業をしてみた」。小3~高3の授業をカバーする。チャンネル登録者数は約130万人。
主な著書に『一生の武器になる勉強法』(KADOKAWA)、『塾へ行かなくても成績が超アップ! 自宅学習の強化書 』(フォレスト出版)などがある。

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