夏休みの体調管理、大丈夫? 子ども自身で体調管理できるように目指すには

いよいよ夏休み。暑い日々でも運動を活発に行う部活動もあり、体調管理が気になりますね。保護者が気をつける必要もあるのですが、中高生が目指したいのは自分自身で体調管理をすることです。中高生はどのように自分の体調管理をすればよいのでしょうか。

自分の体力を過信してしまう中高生

小学校時代に比べると、中高生は本当に忙しいものです。勉強や運動など大変なことも多いですが、友人関係もぐっと楽しくなり、行動範囲も広がります。その結果、1日の時間が足りないくらい充実しているというお子さまも多いでしょう。とてもすばらしいことなのですが、その分寝る時間が夜遅くにずれこんでいき、寝不足になることも。食事の時間がもったいないと、お菓子で空腹をごまかすことがあるかもしれません。

中高生は自分の体力を過信していたり、小学校時代に体調不良を経験していないことで体調管理の大切さを理解できていなかったりする心配があります。まだ若さで十分対応できてしまうことが多いため、大人のようにちょっとした寝不足や栄養不足がそのまま体調不良につながらないこともあります。だから油断してしまうのです。「寝なくても大丈夫」「何かしら食べていれば問題ない」と思い込んで、どんどん寝不足・栄養不足を続けてしまうことも。

また、頭痛や体の重さ、おなかの調子の悪さなど、ちょっとした体調不良については「自分の生活が原因」とは思いません。そのため、どうしても保護者がある程度のことを教え、自分の体をどう守るかを教えていく必要があるのです。

夏休みの部活動は運動量が多い

夏休みにはふだんと同じような授業がないため、運動部の部活動の時間も長くなります。それだけでも体の負担は増えるのに、重ねて夏の暑さが生徒たちを襲い、体力をより消耗することに。熱中症のことを考えると春と同じ感覚では少し危険なのです。このことを十分に理解して、睡眠を十分にとること、食事をきちんとすること、水分補給をこまめに行うことの大切さを保護者が教えていきましょう。最近は学校からも生徒たちに健康管理の重要性を伝えているため、基礎的な知識は備えているはずです。

ただし、小学校を卒業したばかりの中学1年生については、体調不良の原因を自分だけで見つけることはまだまだ難しいもの。保護者はその日の体調をお子さまから聞き出して、最近の生活習慣から原因を探り当てるような会話をしてみましょう。

頭痛はここのところ寝るのが遅いのが原因では? 便秘になってしまったのは毎日野菜を残しがちだからでは? など、具体的に。また、運動部の場合は特に体の痛みもチェックしたいものです。

一部の痛みをかばうために他の部分が痛むことも多いので、症状が進む前に整形外科など医療機関を受診することをおすすめします。部活は体調が悪ければ休むものだと伝えましょう。体もメンテナンスはとても大切なこと。無理をして練習しても、体調が万全でなければ成果が得られないこともあるでしょう。

自分自身で「おかしいな」と思ったら行動するクセをつけていこう

小学生の頃や、中学に入ったばかりの頃は、お子さまの体に何かあればお子さまが保護者に伝え、保護者がどうすればいいのか指示を出す…というパターンが多かったと思います。

ですが、これから大人に成長するために身につけてほしいのが、体調不良の原因を自分自身で見つけ出し、解決することです。そのためには、お子さまが体調不良を訴えたら、その原因を一緒に考えられるといいですね。もちろん、じっくり話すのは体調が回復してからでかまいません。自分の体調は自分の行動次第で変化させることができるのだということを、徐々に学べるようにしていきましょう。

1から10まで保護者が管理する必要はありません。お子さまが完全に保護者に頼ってしまうのもよくありませんし、お子さまが窮屈に感じて反発するようでは意味がないからです。強く叱りつけるのではなく、お子さまに足りない体調管理の知識を補うようなアドバイスをしてあげてください。ちょっとした工夫として、学校から配布される「保健だより」をトイレの壁に貼っておくなどすると、案外目に入って読むことも多いものです。

加えて、栄養面でのサポートは保護者だからこそできること。お子さまと直接関わる時間が減った分、食事に力を入れてみるのもおすすめですよ。

プロフィール



大阪青山大学子ども教育学部子ども教育学科 教授。健康運動指導士。
幼年期における運動遊びが社会的心理におよぼす効果や親子体操が養育態度に与える効果を研究。子どもの運動指導に関する著書多数。
永年にわたる国民への健康づくりに貢献したとして,2018年厚生労働大臣感謝状を授与される。

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