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総合監修:二瓶 健次 先生
各専門分野の先生の紹介
体の部位アドバイス - 口に関すること
口について1歳7ヵ月
寄せられたご相談
歯医者で上唇と歯茎をつなぐ筋が長いと言われました。具体的にどういう影響があるのでしょうか。
先日歯医者にかかったところ、上唇と歯茎をつなぐ筋が長いと言われました。今は問題がないが、将来発語に影響が出てくる場合があると言われました。
具体的にどのような影響があるのかと、治療方法を教えてください。また、よだれが多いのもその影響なのでしょうか。
先生からのアドバイス
池田 正一 先生
この筋は年齢とともに上方に移動します。歯みがきがじょうずにできないなどのようなことがなければ、様子を見てもよいと思われます。
上唇と歯茎をつなぐ筋を上唇小帯(じょうしんしょうたい)と言います。
この上唇小帯は、胎生期および出生後の歯が生える前には、上あごの裏側にある切歯乳頭(前歯の裏にある小さな膨らみ)とくっついています。
しかし、歯が生える頃になると、歯ぐきの骨が下方に成長し、歯が生えてくるとそれが切り離されます。そしてあごの成長とともにその付着位置が徐々に上方に移動してきますが、これは8〜10歳ごろまで続きます。したがって上唇小帯が長くても成長を待って経過を観察しましょう。
ちなみに上唇小帯が極端に大きく歯と歯の間があいてしまうことを正中離開(せいちゅうりかい)と言いますが、この場合は小帯切除術を行います。これは原則として12歳以後の永久歯がすべて生えそろってから行います。その場合は正中離開を治療してから切除します。
ただし小帯があまりに大きく、歯ブラシがあたり、傷つけ痛がったり、出血したりと歯みがきがじょうずにできず、汚れが取れず、う蝕(虫歯)や歯肉炎の原因となる場合は、その都度対応します。
また発語やよだれとはほとんど関係ありません。