マイナス金利で「教育資金の準備方法」は変わる?

今年の1月、日本銀行がマイナス金利政策を導入したことは、ニュースなどで見聞きしたかたも多いでしょう。マイナス金利政策とは、金融機関が日銀に預けている当座預金(の一部)に対して、金利を付けるのではなく、手数料を取るという政策です。マイナス金利政策は本来、金融機関と日銀の間の手数料問題ですが、マイナス金利が導入されて以降、預金金利や住宅ローン金利が下がるなど、私たちの生活にも影響が出てきています。

■マイナス金利の現状は?

たとえばある大手銀行では、すべての定期預金金利が、「預入金額や預入期間に関係なく0.01%」にまで下がっています。1年間預けても、5年間預けても、10年間預けても、定期預金の金利が0.01%というのは、かなり異常な状態です。
仮に今、100万円を預けたとして、1年間に1回でもATM手数料を支払うと、受け取れる利息を、手数料が上回ってしまいます。手数料が利息を上回るという意味では、こちらも「実質マイナス金利」状態。お金を引き出す時などに、手数料を支払うなど絶対にNGといえるような状態になっています。

一方、低金利の影響は住宅ローンにも表れています。変動金利型の住宅ローンの中には、とうとう0.4%台の金利が登場。住宅ローンの金利としては、これも最低金利を更新したことになります。固定金利型の住宅ローンとして有名な「フラット35」も、2016(平成28)年3月に史上最低金利を更新。35年間の固定金利で、なんと1.25%(最低金利を採用している金融機関で借りた場合)という低い金利になっています。

預ける立場で見ると、目を覆いたいような低金利ですが、借りる立場で考えると、驚くほど有利な条件になっているのが、マイナス金利が及ぼしている状況といえそうです。

■学資保険の貯蓄性が「相対的に有利」な状況に

ところで、ここまで金利が低いと、教育資金を貯蓄で準備するモチベーションが上がらないご家庭が出てくるかもしれません。「金融商品に預けても、利息が付かないのなら、いっそのこと運用でもするか」と考えるかたが出てくる可能性もありますが、運用は教育資金の上乗せ部分をつくる時にするもの。基礎部分はやはり、安全性の高い金融商品を利用して準備すべきだと思います。

そういう意味で、改めて注目したいのは「学資保険」です。学資保険については、まだ予定利率の引き下げを実施していないからです(2016<平成28>年3月中旬現在)。この先、予定利率を引き下げる会社が出てくる可能性は十分にあるものの、予定利率の引き下げをしていない、貯蓄性の高い学資保険を探して契約してしまえば、契約時点の予定利率が保証されます。

学資保険は定期性預貯金のように、すぐに予定利率の改定ができないため、相対的に有利な状況になっているともいえます。気になる学資保険がある場合は、保険会社のコールセンターなどで、「学資保険の予定利率を引き下げる予定があるのか、当分はないのか」と質問してみましょう。もし、予定利率を引き下げると言われたら、「いつまでに契約すれば、今の予定利率で契約できるのか」と、聞いてみるとよいでしょう。

■貯蓄性の高い学資保険に「まとめ払い」で加入する

また、定期預金などに預けている(寝かせている)お金の中で、将来は教育資金として使おうと思っている分は、一時払いや全期前納(年払い分の保険料をまとめて支払う)のように、保険料をまとめ払いするお金として活用して学資保険に加入する方法もあります。

一時払いなどのまとめ払いを利用すると、月払いなどの分割支払いより貯蓄性はアップします。保険会社によって、学資保険で契約できる最低金額は異なりますが、たとえば0歳のお子さんがいるとして、100万円分の満期保険金を受け取れるように、貯蓄性の高い学資保険に加入したとしたら、まとめ払いの保険料は90~93万円くらいになります。これを、金融商品の利回りに換算すると、年利は0.4~0.6%くらいです。

利回りはお子さんの加入年齢が上がるほど低くなりますが、学資保険から受け取る満期保険金や学資年金については、1年間に50万円までは非課税扱いになります。金融商品のような20.315%の税金もかからないわけです。税金面も含めて考えると、貯蓄性の高い学資保険を選択すれば、定期性預貯金の金利を下回る可能性は低くなるはずです。

(筆者:畠中雅子)

プロフィール

畠中雅子

1963年東京都生まれ。1992年よりファイナンシャルプランナーになる。新聞・雑誌・インターネットなどに約20本のレギュラー執筆をもつほか、セミナー講師、講演、相談業務などをおこなう。二男一女の母。

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