小学校への入学準備 家庭教育の専門家が「アナログ時計」をおすすめする理由
- 学習
小学校への入学を目前にすると、つい「あれもこれも準備をさせなければ」と思ってしまいがちです。ガミガミ言わなくても勉強する子に育てる! 家庭教育講座「かおりメソッド」を開講しているママプロジェクトJapan代表の岩田かおりさんは、たくさんのことを準備する必要はなく、一つすすめるとしたらご家庭でアナログ時計を設置することだと伝えています。今回は、その意図について聞きました。
小学校入学前にアナログ時計を自宅に導入しよう
小学校への入学準備を考えると、「授業中、座っておけるようにしなければいけない」「好き嫌いなく、給食を食べられるようにしなければ……」などと考えてしまいがちです。こうした不安や焦りからか、年明けのこの時期には保護者の相談が多く寄せられます。たしかに、保育園から小学校に入学すると、子どもの生活は大きく変わります。
しかし、大前提として覚えておいてほしいことは、子どもたちは自分で成長していく力を持っているということです。だから、保護者が小学校入学に向けてたくさんのことを準備してあげる必要はないと私は考えています。
そのことを踏まえていただいた上で、一つだけお勧めすることは、「ご家庭にアナログ時計を導入する」ことです。
保育園と小学校で大きく違うのは、時間割があるということ。時間どおりに、みんなに合わせて動くことが多くなります。そのため、時計を読む習慣が大事になるのです。
現在、スマートフォンも含めて、ご家庭に置かれている時計のほとんどがデジタル式です。しかし、学校はまだまだアナログ時計を使っています。そのため、私は自宅に置く時計をアナログ時計に替えることを推奨しているのです。
時計をよむことを習慣化する声かけ
アナログ時計をご自宅に導入したら、時計のよみ方について定期的に声かけをしてください。例えば、9時だったら「短い針が9を指していて、長い針が12を指しているから、いまは9時だね」とよみ方を説明しながら会話をすることが大切です。教え込む必要はなく、見えたままを口に出すような感覚で大丈夫です。
また、仕事をしていたり家事をしたりしていると、「ぴったり○時」というタイミングを逃してしまうことも少なくないでしょう。私も意識しておくことが難しいタイプだったので、決まった時間にメロディーが鳴るようなアナログ時計を使っていました。音に反応して、子どもに声をかけることができるのでとても便利です。
最初から細かな時刻まで読めるようになることは難しいので、最初は「5時」や「3時半」など1時間と30分刻みで読めるようになるとように練習するのがポイントです。
心配は最小限に! 起こってから対策を考えよう
「アナログ時計をよめるようになろう」というと、何が何でもできるようにさせなければいけないと肩に力が入ってしまう方もいます。しかし、1日1回ぐらい声掛けを意識するくらいで十分です。また、時計が少し読めるようになったあたりで、時間に関するドリルをさせたり答えられないことを叱ったりすることはやめましょう。
時計がよめなくても、周りの子どもの動きに合わせて時間割通りには動くことはできます。時間が経てば、自然に時計はよめるようになっていくので、そこまで焦る必要はないということは覚えておいてください。
ただ、小学校の最初の段階で「自分にはできない」と思ってしまうと劣等感を抱いてしまう可能性があるので、時計をよむことに慣らしていくことをお勧めしているのです。
もっとも大切なことは、保護者の心が安定した状態で、お子さまを小学校へ送り出してあげることです。保護者の方が落ち着いていれば、子どもも安心して新しい環境に慣れていくことができます。つい小学校の新生活に対して、「こんなことになったらどうしよう」と心配になってしまうこともありますが、「起こってから対策を考えよう」と鷹揚な態度で子どもと接していけるとよいですね。
まとめ & 実践 TIPS
小学校入学を目前にすると、保護者は様々なことを心配してしまいがちです。しかし、子どもは自分で成長する力を持っています。大切なことは、保護者が心を安定させて、子どもを小学校へ送り出すことです。
その大前提を踏まえた上で、アナログ時計を使って時間を読む練習を子どもと一緒にしていけるとよいでしょう。メロディーが鳴る時計を使うなど工夫して、時計をよむ声かけを実践してみてくださいね。
- 学習