小学生の勉強を習慣にする6つの方法は? 学年別勉強時間やおすすめ勉強法も
2023/11/30
- 子育て
小学生のお子さまに勉強習慣を身につけてほしいと思いつつも、なかなか上手くいかないとお悩みのかたもいらっしゃるかもしれません。この記事では、小学生が勉強を習慣づけるためのコツや、学年別のおすすめ勉強法、保護者ができるサポートについてご紹介します。小学生のうちに、しっかりとした学習習慣を身につけ、中学、高校でも主体的に勉強していけるようにしましょう。
小学生の勉強時間はどれくらい?
小学生の宿題を含めた家庭学習の勉強時間は低学年では1時間前後、高学年では1時間半前後が目安です。平均でおよそ40分ほど宿題にかけているため、宿題以外の学習時間は低学年で30分前後、高学年で1時間前後となります。
東京大学社会科学研究所とベネッセ教育研究所が実施した「子どもの生活と学びに関する親子調査」(2022年)によると、低学年、高学年別に勉強の平均時間は次の通りです(※1)。
小1〜3:48分
小4〜6:78分
平均時間は勉強時間の目安とはなりますが、成績を上げるためには時間よりも勉強方法や内容に工夫をすることのほうが重要です。時間だけにこだわりすぎることのないように注意したいですね。
小学生が勉強習慣を身につけるにする方法6つ
「勉強しなさい」というだけでは、勉強習慣を身につけることはできません。それどころか、強制されることで勉強が嫌いになってしまう可能性も。まずは勉強時間にこだわるより、短時間でも毎日続けられることを優先させられるといいでしょう。次の6つのポイントを意識して、習慣作りに取り組んでいけるといいですね。
●小学生の勉強を習慣にする方法1:目標を立てる
「勉強したい」という気持ちを高めるには、達成感を味わうことが欠かせません。ただなんとなく勉強するのと、目標をもって勉強するのとでは「やりきった」という達成感に大きな違いが生まれます。達成感を覚えれば「次もがんばろう」という意欲に火がつき、勉強に向かう姿勢がつくでしょう。
目標は最初から大きなものである必要はありません。大きすぎる目標は、むしろ気後れもしてしまうもの。スモールスタートで、無理ない範囲の小さな目標から始めましょう。「いついつまでにドリルを終わらせる」といったことや「次のテストで◯点以上を目指す」などお子さまの状況に合わせた目標を心がけ、少しずつハードルを上げていくと、挑戦して達成する楽しさから勉強するようになります。
●小学生の勉強を習慣にする方法2:計画を立てる
習慣化には計画が欠かせません。計画があれば「この日までにこれをする」「だから今日はこれに取り組む」という具合に、行動につながるためです。計画を立てるときに大切なのは、目標とセットで考えること。目標が「今週中に計算プリントを10枚終わらせる」だったら、計画は「平日に1日2枚取り組む」となります。目標を計画に、計画を行動に、そして行動を習慣へとスムーズにつなげていきましょう。
●小学生の勉強を習慣にする方法3:ルーティン化する
歯磨きでもストレッチでも習慣になっているものは、行う時間やタイミングが決まっていることが多いものです。勉強習慣も、勉強する時間やタイミングを決めてルーティン化することで身につきます。
●小学生の勉強を習慣にする方法4:目標、計画を振り返る
目標や計画は、振り返り、修正していく時間を確保しましょう。計画通りに進めば達成感を得て、次の計画を立てる意欲がUPします。反対に、計画通りに進んでいない場合は、どこに原因があったかを考え、軌道修正をすることで「もう一度がんばろう」と気持ちを新たにすることができます。
このように、振り返りと修正の時間を持つことは、次の行動につながるため、勉強習慣づくりに大いに役立ちます。
●小学生の勉強を習慣にする方法5:勉強した過程を褒める
勉強を習慣化するには、達成感が大切であることは先述した通り。達成感は、保護者から認められたり、褒められたりすることでも高まります。大げさに褒めるのではなく「今日も勉強できたね」「集中してがんばっていたね」「前に間違えた問題も解けるようになったね」と過程を認めてあげる声かけをできればOK。お子さまも、がんばっていた様子を褒められたことで「明日もがんばろう」という気持ちが高まるはずです。
勉強を褒めるというと、ついテストの点数ばかり褒めてしまいがちですが、それでは逆効果になることも。結果だけでなく、過程そのものを評価することで、努力することに対して前向きになれます。
●小学生の勉強を習慣にする方法6:家族で勉強する時間を作る
家族で勉強する時間を作ってあげると、保護者のかたをお手本として子どもが勉強しやすくなります。
きょうだいや親子で勉強する時間を作ることで、子どもが他のことで気が散らなくなるメリットがあります。また、保護者のかたが勉強する姿を見せることで、勉強の大切さを学ぶきっかけにもなるでしょう。
保護者のかたが行う勉強は何でもかまいません。気になっていた本を読んだり、趣味に関する調べ物を行ったりしてもよいでしょう。
【学年別】小学生におすすめの勉強法
小学生が勉強習慣を身につけていくには、学年に合った勉強法に取り組むことも非常に重要です。低学年から長い時間、難しい問題演習ばかりに取り組むのは無理がありますし、高学年でも簡単なドリルばかりに取り組んでいては手応えを感じづらいかもしれません。
学年に合ったアプローチをすることで、勉強を習慣化しやすくなり、学習内容が定着します。
●低学年(小1・2)におすすめの勉強法
短時間でも机に向かう習慣をつけましょう。勉強を始めるには机に向かわなければならないため、まずはその基本的な動作を習慣づけるようにします。
勉強内容も短い時間で取り組めるものがおすすめです。1回5分程度で取り組める計算ドリルや漢字ドリル、音読などを組み合わせていきましょう。
また、低学年のうちは保護者のかたのサポートも特に重要です。たとえば、丸つけをするだけでなく「この字が上手にかけたね」「この問題が解けたのはすごい」「この問題は間違えちゃったけど、惜しかったね。きっと次はできるよ」といった声をかければ、お子さまも振り返りとともに「次もがんばろう」と思えるはずです。
●中学年(小3・4)におすすめの勉強法
中学年になると社会や理科の学習が始まり、覚えることも増えていきます。地図記号や都道府県などなかなか暗記できず、つまずいてしまうことも。
そこでおすすめなのが、リビングやトイレなどに日本地図のポスターを貼ったり、暗記アプリをうまく活用したりすること。ときには、家族で「地図記号クイズ」などに挑戦するのもいいですね。楽しく勉強できる勉強法に取り組んでいきましょう。
●高学年(小5・6)におすすめの勉強法
授業の復習中心の勉強をしましょう。高学年になると学習内容が難しくなり、学習する量も増えます。そのため、授業で習っただけでは記憶への定着が不十分になってしまいがちです。
帰宅後はその日の授業ノートを見直したうえで、ドリルで知識事項をチェック。そのうえで、問題演習に取り組めるといいですね。
また、テストを活用した復習も大切です。テストで間違えた問題は、現時点での弱点ということ。解き直しをすること、理解が曖昧な場合は教科書に戻って知識を再確認しましょう。
小学生の勉強をサポートするときの注意点4つ
小学生の勉強をサポートする際には、良かれと思ってのことが逆効果にならないようにすることが大切。子どもの意欲を削がないようにするためのポイントをご紹介します。
●小学生の勉強をサポートする注意点1:口出ししすぎない
保護者に口出しされすぎてしまうと、子どものやる気を削いでしまいます。
大人でも覚えのある方は多いでしょうが、あまりに口出しされてしまうと急にやる気がなくなってしまうことは小学生にもよくあることです。まずは声掛けから始めてみて、子どもの様子を見るようにしましょう。
●小学生の勉強をサポートする注意点2:無理にやらせない
無理やり勉強させても、勉強に対して悪いイメージがついてしまい、習慣化にはつながりません。勉強を無理やりやらされていることによって「強制されて勉強している」ことになってしまい、自ら進んで勉強したくなくなってしまいます。
勉強を習慣化するためには子どものやる気も重要になってくるため、進んで勉強するまである程度待ってみるのも手でしょう。
●小学生の勉強をサポートする注意点3:娯楽を近くに置かない
勉強に取り組みやすい環境を整えてあげましょう。特に小学生は気が散りやすく、視界に好きなものが入るだけで気を取られて勉強に集中できなくなってしまいます。
まずは机の周りにゲームやマンガといった娯楽を置かないようにし、テレビを消して勉強に集中できるような環境を作ってあげましょう。
●小学生の勉強をサポートする注意点4:勉強時間の「長さ」でなく勉強する内容を期限付きで決めてもらう
「1日1時間は勉強しなさい」など勉強時間の「長さ」だけを指示していませんか?勉強時間だけ長くても、あまり効果のない勉強法をしていれば成績もあがりづらいものです。勉強の効果を高めるためには「算数の割合の復習として問題集の◯ページ〜◯ページに週末取り組む」といった具合に、勉強する内容と期限をセットで決めるようにしましょう。これにより、目的意識を持って勉強に取り組むことができるようになるため、より習慣化しやすくなります。
小学生の勉強をサポートしよう
小学生が勉強を習慣にするためには、保護者のかたのサポートが有効です。遊びたい盛りの小学生にとって、机でしっかり勉強する時間を確保するのは難しい場合も多いでしょう。
勉強する習慣がつくまでは、今回ご紹介した内容を参考にしながら、無理のない範囲でお子さまに関わり、やる気を引き出していけるといいですね。
(出典)
※1
「子どもの生活と学びに関する親子調査2022」東京大学社会科学研究所・ベネッセ教育総合研究所共同研究
https://berd.benesse.jp/up_images/research/pdf_oyako_tyosa_2022_230703.pdf
参照元
参照:『勉強、ゲーム、どのくらい? 小学生の勉強時間と放課後の過ごし方』(Benesse) https://benesse.jp/kyouiku/201410/20141013-34.html
参照:『「塾に行かせたらなんとかなる」は大間違い?!その前に実践したい、年齢×分で十分な家庭学習のコツ』(Benesse) https://benesse.jp/kyouiku/202011/20201130-1.html
参照:『勉強習慣を身につける3つのポイント』(Benesse) https://benesse.jp/kosodate/201610/20161009-2.html
参照:『家庭学習の習慣をつけさせるために【低学年編】』(Benesse) https://benesse.jp/kyouiku/201604/20160413-2.html
参照:『自分から勉強する習慣を付けるには? [中学受験 4年生]』(Benesse) https://benesse.jp/juken/201605/20160524-1.html
参照:『家庭学習の習慣をつけさせるために【高学年編】』(Benesse) https://benesse.jp/kyouiku/201604/20160413-3.html
参照:『どうしてる?遊びたがる子どもに宿題をやらせる方法』(Benesse) https://benesse.jp/kyouiku/201510/20151002-4.html
参照:『褒め方を間違うと逆効果! 子どものやる気を引き出す褒め方のポイント』(Benesse) https://benesse.jp/kosodate/202012/20201217-2.html
参照:『親子でできる! 小学生が勉強を楽しめるようになる4つの勉強法』(Benesse) https://benesse.jp/kyouiku/201606/20160623-3.html
参照:『うちの子供は宿題を自分でやる!そんな保護者たちが実践しているちょっとした工夫』(Benesse) https://benesse.jp/kyouiku/202008/20200824-1.html
参照:『子どもの勉強部屋は環境を整えれば勉強の能率が上がる?! 整理整頓のコツとは』(Benesse) https://benesse.jp/kosodate/202010/20201019-3.html
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