小中学生の保護者の方必見!大学入試新テストの問題例をわかりやすく解説

現在小学生〜中学1年生のお子さまは、大学入試の際に、センター試験に替わる新テスト(「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」)を受けることになります。2015年の年末に問題例が公表され、ニュースでも大きく取り上げられました。
注目されたのは、記述式問題の導入です。問題例の解説を通して、小中学生の今からできることを考えておきましょう。


センター試験に替わる新テスト 国語・数学で記述式問題を導入予定

 新テストは5教科で検討されていますが、記述式問題は国語と数学で導入が見込まれ、国語が優先とされています。記述量は、最大で300字程度です。
国語については、文部科学省から3問の問題例が示されました。そのうちの1問は、1,400字程度の新聞記事を読み取り、最終的には自分の考えを200〜300字程度で記述する問題となっています。
こちらの問題には、従来のセンター試験国語とは異なるポイントが2点あります。

 

 

国語の問題例 思考力・判断力・表現力を高いレベルで問うものに

ポイント1:題材は比較的読みやすいものに

従来の国語のテストは、評論や小説、古文・漢文のように、高校生にとっては読解そのものが難しい文章が題材となっていました。その点、新テストの問題例は、新聞記事を題材としています。新聞記事は、事実や意見が分かりやすく書かれているため、高校生にとっては比較的読みやすい題材です。
ただし、記事をただ読み解くだけでは、十分ではありません。そこから情報を整理し、自分の考えにつなげる点が重要になってきます。

 

ポイント2:解答は従来より難しいものに

これまでも、大学個別の試験、あるいは高校入試などでも、記述式問題は多く出されてきました。しかし、書く内容が直接採点には影響しないような作文や小論文の問題も、数多く見られました。例えば、「○○を読んで、**についてあなた自身の経験にもとづいて考えを書きなさい」「あなたが大学で学びたいことを書きなさい」といった問題です。

 

それに対して、新テストの問題例は、テーマや条件が細かく設定されています。採点でも「意見が設問の意図に沿っているか」「根拠が論理的に正しいか」が、厳密な基準をもとに評価されることになります。

 

つまり、従来の作文や小論文に多かったタイプの問題とは異なり、解答にいたるまでの立場や根拠を明らかにしながら思考・判断する力と、構成や展開を工夫して表現する力が求められているのです。思考力・判断力・表現力を総合的に測っていると言えます。

 

これまでのセンター試験の国語が、知識(漢字・文法など)や文学作品の読解力を高いレベルで問うものであったとすると、新テストの問題例は、日常的・社会的なテーマの素材を使って思考力や表現力を高いレベルで問うものになっています。そうすると、テストまでの勉強法も、従来の方法とは異なるものになるでしょう。

 

 

新テストを見据えて小中学生の今からできること

 思考力・判断力・表現力を伸ばすには、知識を獲得する以上に長い目で取り組むことが必要です。例えば、小中学生のうちからでも、報道されるニュースを見て興味を持つとともに、家族で異なる立場から意見を述べ合うことはできるでしょう。あるいは、夏休みの悩みのタネになりがちな自由研究も、統計資料などの活用について積極的に学ぶ機会にすることができます。

 

ただし、新テストの問題は、現在も検討が重ねられています。検討の結果、今の問題例からさらに変化することも考えられます。大学入試改革の情報をきちんと理解していくことも、今後の学習を考える上では重要です。

 

※大学入試改革については、2015年12月時点で文部科学省から発表されている情報をもとに記事を作成しております。現在も具体的に検討が進められており、今後の検討によって、お伝えしている内容から方針や具体案、実施の時期が変わる可能性がありますので、ご了承ください。

 

 

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