勉強は休憩が重要!効率を上げる取り方は? タイミングも紹介

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勉強の効果を高めようと、休憩しないまま長時間机に向かっていませんか? 実はそれは逆効果。勉強の効果をあげるには、適切な休憩を取ることがとても重要。休憩が必要な理由とおすすめのタイミング7つ、休憩時間のおすすめの過ごし方8つ、休憩の取り方で注意したいポイントをお伝えします。

この記事のポイント

勉強の効率を上げるために休憩が必要な理由

効率的に勉強を進めようとして、あまり休憩をとらずに進めている人は意外に多いもの。しかし、本当にそれは効率的な勉強法なのでしょうか?
運動や体を使う作業をしている場合、休憩なしで何時間も動き続けるのはとても大変です。次第に力が入りにくくなったり、体のバランスを保ちにくくなったり…。ときには、ケガにつながることさえあります。

頭も、体と同じです。休憩なしで使い続けていれば疲労やストレスがたまり、普段は理解できていることが理解しにくくなったり、うっかりミスが増えたりしてしまいます。
集中力や判断力が落ちやすい状況で勉強を続けても、効率的に知識や考え方を身につけるのは難しいもの。集中力や判断力などの回復には休憩時間が必要です。
計画的に休憩をとる最大のメリットは、効率の良い勉強ができることなのです。

勉強時の休憩のおすすめタイミング6つと休憩時間

適切な休憩をとることが大切といっても、いつでも好きなだけ休憩してよいというわけではありません。集中の妨げにならず休憩後も勉強を続けやすくするには、休憩をとるタイミングと時間が大切です。

1:昼食後に眠くなったら無理をしないで休憩する

昼食後に眠気を感じる人は多いでしょう。食事による血糖値の変化や、もともと昼下がりは体のリズムとして眠くなりやすいというのが原因です。

もし昼食後に眠気を感じたら、無理せず休憩をとってしまうのがおすすめ。眠いままでは、集中力を高めづらくなってしまいます。眠気をさますために軽く散歩することもいいですし、コーヒーを飲んだり、机の上に突っ伏して15分ほど仮眠することもいいでしょう。
頭や気分が切り替わり、心のエネルギーを再チャージできるはずです。

2:25分勉強して5分休む「ポモドーロ法」を利用する

効率的に作業を進める方法として時間管理に注目したやり方もあります。代表的なのが「ポモドーロ・テクニック」や「ポモドーロ法」と呼ばれる方法です。

ポモドーロ法は1980年代にイタリア人のフランチェスコ・シリロによって考案されたもの。「25分の勉強・作業+5分休む」をワンセットにして進めることが基本で、これを「1ポモドーロ」と呼びます。
そして、4ポモドーロごとに30分、長めに休憩することが特徴でもあります。

25分の勉強時間では、やるべきことや目標を決め、それを達成すべく全力で取り組んでください。「集中して取り組む→休憩する」という緩急のメリハリがついて達成感を味わえるというメリットがあります。
なお、ポモドーロとは、イタリア語でトマトのこと。トマト型のキッチンタイマーを使ったことがもととなり、「ポモドーロ・テクニック」「ポモドーロ法」と名付けられました。

3:家でも学校の授業と休み時間に合わせて休憩をとる

普段の生活のリズムを使った休憩の取り方もあります。学校には授業のあとに必ず休み時間が設定されていますよね。その時間割を休日にも使おうという作戦です。

慣れているリズムで「勉強→休憩」を繰り返せば、集中とリラックスの切り替えもしやすいはず。大人でも、効率的に仕事や勉強を進める方法として時間割を作る人がいます。
アラームの音を自由に設定できるなら、学校のチャイムに似た音を設定しておくのもいいかもしれません。

4:休憩を志望校の試験時間に合わせてとる方法も

受験生の場合、入試本番の時間割をもとにした休憩の取り方もおすすめです。
入試は午前中から始まって教科・科目ごとに休憩が入ります。1回の勉強時間は高校受験なら50分、大学受験なら1時間〜2時間が基本。本番のサイクルに慣れておけば、秋以降の過去問対策に取り組みやすくなるとともに、入試本番でも集中しやすくなるでしょう。

志望校の過去問題集やパンフレット、学校の公式サイトなどで入試当日の時間割を調べ、普段の勉強スケジュールとして活用してみてください。

5:1時間以上のロング休憩方法もおすすめ

1日のトータルの勉強時間が長くなって疲れもたまり、「1回5分や10分の休憩じゃ足りない!」という場合は、思い切って1時間以上の長い休憩をとってしまいましょう。
1時間以上のまとまった休憩をとれれば、自分が最もリフレッシュしやすい方法で頭や体を休められます。長めの散歩に出てもいいし、好きなマンガ・ゲーム・動画を楽しむのもいいでしょう。スポーツや楽器演奏など自分が普段やっている活動も可能です。

ただし、短時間しか勉強していないのにロング休憩をとるというのでは効率的な勉強法として本末転倒。3〜4時間の勉強をしてからロング休憩をとる形にするのがポイントです。
長い勉強時間の中でも5分程度の休憩はこまめに取っていけば、上手に集中力を回復させながら取り組めるでしょう。

6:自分が集中できる時間に合わせて休憩をとる

集中力が続く時間には個人差があります。
受験生の場合、最終的には試験科目・教科に割り振られた時間で問題を解く必要があります。しかし、過去問対策以外の勉強時間では、自分の集中できる時間に合わせて休憩をとるのも効率的な勉強につながるでしょう。

たとえば、大人が集中できる平均時間は45分程度と言われています。中学生や高校生ならこの時間を利用して、「45分勉強+5〜10分休憩」というサイクルにすると進めやすいでしょう。50分集中できるなら、「50分勉強+5〜10分休憩」でも構いません。

注意点は、集中するのが得意な場合でも2時間程度で一度休憩を入れること。何時間もずっと集中していると、集中力が切れたときの疲労も大きくなってしまうからです。

自分が集中できる時間を把握するには、復習や問題演習に取り組む際にストップウォッチやタイマーを使い、ふっと集中力が切れるのが何分の時点かを確認してみるのがおすすめです。

勉強の効果をあげる休憩時間の過ごし方8つ

休憩時間は基本的に自分の好きな過ごし方をして構いません。ただ、休憩終了後にまた集中しやすくするためのコツとして、おすすめの過ごし方もあります。
効率的に勉強を進めるなら、これらのちょっとしたコツを意識するとよいでしょう。

1:好きな音楽を聴く

好きなアーティストや好きなジャンルがある人は、その音楽を聴くととてもリラックスできたり励まされたりします。そんな音楽の力を休憩でも活用しましょう。

気分を上げたいときはアップテンポの元気な曲、緊張を解いてゆったりしたいときはスローで静かな曲を聴くなど、気分に合わせて選ぶのも楽しいもの。勉強中に歌詞つきの音楽を聴くのは思考の邪魔になりやすいものですが、休憩中ならそうした制限もありません。

「1曲目はバラード、2曲目は重低音のきいた曲」など変化をつけられるので、自分の気分をコントロールしながら次の勉強に入れるというメリットもあります。

2:ストレッチなどの軽い運動をする

勉強中は座りっぱなしの姿勢が続きます。背中が丸まったり、首や頭が前に出ていたりする姿勢が続くと、体にじわじわと疲れがたまって肩や首が痛くなる人もいるでしょう。下半身の血流が悪くなってしまう場合もあります。

そうした体を休めてあげるには、ストレッチなどの軽い運動がおすすめです。
ゆっくり腕を上に伸ばして肩甲骨を背中側に寄せる、そのまま肘を曲げてゆっくり手を下ろすといった動作は、丸まった背中に効果的。体前屈でじっくり脚の後ろ側を伸ばしたり何回か屈伸運動をすれば、動かさずにいた下半身の血流も改善されます。

「特にやりたい運動がない」という場合は、ラジオ体操を活用して。上半身の運動とともに膝を曲げる運動が多いので、効率的に体を動かせますよ。

3:仮眠をとる

勉強時間は頭がフル回転したり、難しい問題演習でうーんと唸ったりすることが多いですよね。疲れた頭を休める効率的な方法は、寝てしまうことです。

「休日の午前中に一気に勉強を進めたのに、昼寝をしたら疲れた頭がスッキリ…!」といった経験をした人もいるのでは? 睡眠には頭の中を整理し、次の勉強に進む余裕を生み出す力があるのです。

4:好きな飲み物を飲む

休憩時間に好きな飲み物を飲むのも良いアイデアです。
炭酸の刺激やお茶の良い香りは気分をリフレッシュさせてくれますし、適量のカフェインは眠気を覚ましてくれます。
「うまく勉強を進められた時は、この飲み物」「頑張りたいときは、あの飲み物」など、自分の好みに応じて決めるのも楽しいかもしれませんね。

注意点は、甘い飲み物ばかり飲み過ぎないこと。また、エナジードリンクは、飲み過ぎて健康を害したという事例がありますので、適量を守りましょう。
夕方以降のカフェインも、夜眠りにくくなってしまうので控えるのがおすすめです。
甘くない炭酸飲料やハーブティー、ノンカフェインのコーヒーや紅茶などを選択肢に入れつつ楽しんでください。

5:軽く歩く

ストレッチは屋内でできる軽い運動ですが、もし可能ならぜひ外を軽く歩きましょう。
歩くことは、全身の筋肉を適度に動かせるとともに太陽の光で目を覚ますこともできるので、一石二鳥の優れものです。
勉強を続けていると、人工物ばかりが目に入るもの。軽い散歩などで外に出れば、太陽の光を浴びられますし、樹木や草花といった自然を見ることもできます。

勉強時間とは異なるさまざまな刺激を五感で受け取りつつ、次の勉強時間に向けて英気を養いましょう。

6:読書する

読書が習慣になっている場合は、休憩中に好きな本を読むと気分を切り替えられます。読書の内容は、小説、マンガ、絵本、図鑑、画集など、何でも構いません。短時間でも本の世界に入り込むことで、いい気分転換になるはずです。

文字を読む読書はもちろん、絵や図を見る読書も取り入れて、気分に合わせて眺めるとよいでしょう。

7:おやつを食べる

勉強中は頭がフル回転するため、糖分を多く消費しています。
休憩で消費した糖分をお菓子などで適切に補ってあげれば、頭のエネルギー切れを起こさずに済むでしょう。
おすすめのおやつは、脳のエネルギー源となるブドウ糖を補給できる「ラムネ」や「チョコレート」。また、噛むことで脳の働きを活性化させると言われる「ガム」や「グミ」もいいでしょう。眠気覚ましになって、気分もすっきりする「ミントタブレット」もいいですね。
上手に摂取するポイントは、「ゆっくり食べる」「少量にする」ことです。

8:目を閉じる

勉強中は、目と脳がフル稼働しています。そのため、目と脳を休ませてあげることも大切。ときには、漫画や動画、スマホに手を伸ばすのをやめて、目を閉じて、深く深呼吸をしながらゆったりとした時間を過ごしてみてください。疲れがほぐれ、気持ちが落ち着いていくのを感じることができるはずです。

勉強時の休憩のとり方で注意したい6つのポイント

1:長い昼寝は要注意

仮眠は頭のリセットに効果的という話をしましたが、長すぎる仮眠は禁物。逆に頭がボーッとしてしまうだけでなく、夜の睡眠にも悪影響を与えてしまいます。
昼寝として最適な時間は15分が目安です。

もし30分以上の仮眠をとるなら、いっそレム睡眠・ノンレム睡眠のサイクルが一巡しやすい90分を目安にすると目覚めやすくなるでしょう。

2:運動のしすぎに注意

休憩時間の軽い運動は、その後の勉強効率を高めてくれます。しかし、運動しすぎると体の疲労が激しくなり、勉強どころではなくなってしまうので注意してください。

どのくらいが「運動しすぎ」になるのかは個人差があります。とりあえずは「こんなものかな」と思える程度、余力がある程度で切り上げることを意識しましょう。
よく分からない場合は、5分間のストレッチや散歩、短時間の筋トレ、ラジオ体操など、軽い運動として人気のあるものを試してみてください。

3:読書をするなら目の休憩も意識して

休憩時間に読書をする際は、目と頭を休める時間も設けましょう。
目や頭は勉強中も酷使する部分。勉強でも休憩でも使い続ければ、休憩をとる効果が薄れてしまうこともあります。

可能なら「1分間目を閉じて何も考えない」といった瞑想時間を読書のあとに組み込みましょう。

4:甘い物のとり過ぎに注意

飲み物でもお菓子でも、糖分のとり過ぎには十分注意してください。
糖分をとり過ぎると血液中の糖分も一気に上昇し、それを抑えようとする体の働きで血糖値が急降下するという「血糖値スパイク」を招いてしまうことがあります。血糖値スパイクは体に大きな負担をかけるとともに、「頭がボーッとする」「眠くなる」など、効率的な勉強にとって好ましくないことも引き起こしかねません。

ポイントは、休憩時間に毎回甘い飲み物を飲んだり甘いお菓子を食べたりするのではなく、長めの休憩のときにゆっくり摂取すること。「ゆったりしたティータイム」の時間にもなるのでリラックス効果もありますよ。

5:スマホに注意

短い休憩時間にスマホを見てしまうと、つい友達と話が弾んだりSNSの面白い画像や動画に引きつけられたりして、休憩時間を過ぎても見続けてしまうことがあります。

また、スマホからの視覚への刺激はとても強いもの。休憩のつもりが、目や脳を疲れさせてしまうことにもつながります。

「休憩時間に絶対スマホを見てはいけない」とまでは言いませんが、できる限り見ずに済ませたいところ。「スマホを見るのは長い休憩のとき」「勉強が終わってから見る」など、自分なりにルールを決めておきましょう。
もしスマホで勉強アプリを使っているなら、通知を切っておく、機内モードにしておくといった工夫が必要です。

6:休憩時間を守る

あらかじめ決めた休憩時間は守るようにすることも大切です。「あと5分」と延長を繰り返していたら、気づけば1時間以上たっていた…ということにも陥ってしまうでしょう。

休憩から勉強に戻る気持ちがくじけてしまったとしても、とりあえず机に向かえば徐々にエンジンがかかっていくものです。これは「作業興奮」と呼ばれる現象で、ドイツの精神科医、エミール・クレペリンによって提唱された概念です。作業や勉強を始めて5〜10分くらいでやる気が出て来ると言われているため、多少気が重かったとしても休憩から勉強に戻ってみましょう。

参考:「海馬 脳は疲れない」(池谷裕二・糸井重里著:新潮文庫)

まとめ & 実践 TIPS

効率的な勉強には、適切な休憩が不可欠です。休憩をとるタイミングや長さには、ポモドーロ法やロング休憩など、さまざまな例があります。

休憩中は、自分がリラックスできることや気分を切り替えられることをするのがおすすめ。音楽や読書もいいですし、次の勉強時間に向けて軽く運動してエネルギーをチャージしておくのもよいでしょう。
自分に合った休憩サイクルや休憩の仕方を見つけて、勉強計画に上手に組み込んでいきましょう。

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