【世界の中学生~アメリカ(8)~】卒業式はあるけれど、入学式・始業式はなし!

世界の中学生の仲間に密着するシリーズ、アメリカの中学生、オリビアさんの生活にせまっています。今回は、オリビアさんが勉強しているアメリカの学校の学習事情に注目してみました。

 アメリカと日本それぞれの学校には、異なる点がいくつかあります。
たとえば、入学式や始業式などはなく、卒業生とその親たちのためのカジュアルな卒業式があること。ほかにも、生徒たちが集まるいわゆる「朝礼」などもなく、代わりに月に1度、全体で集まってゲストスピーカーの話を聞いたり、ドラマクラブのパフォーマンスなどを見たりする時間があります。また、アメリカでは、公共交通手段が限られているため、ほとんどの中学校の場合、登下校や課外授業の往復においては、スクールバス以外には親の車に頼るしか手段がありません。そのため、大人と関わる時間が日本の中学生よりも多いのも大きな違いでしょう。

 

さらに、日本のように、学校で生徒が給食を配膳したり、教室を掃除したりすることは一切ありません。昼食は、カフェテリアで購入する人もお弁当などを持参する人も、みんなが同じ場所に集まって食べます。


(カフェテリアに集まる学生)

 

中学校に遠足はなく、日本の修学旅行に匹敵するものもありません。ただ、学校によっては、稀に教師が企画してワシントンDCを訪問する泊りがけのツアーなどがあります。

 

 


高校受験のないアメリカ

 日本とアメリカの学校教育にも大きく違うところがあります。それは、いわゆる「受験」がアメリカにはないところでしょう。まず、高校受験というものがなく、さらに、大学を受ける際には高校の成績、SAT(大学進学適性試験)のスコア(限られた科目の基本的なテスト)と活動などが重要視されます。そのため、オリビアさんがダンスや音楽などの習い事をがんばっているように、中学校の生徒たちは、自分の熱中できること、得意なことを伸ばすことに集中していて、成績の良し悪しにはそれほどこだわりません。

 

 

意見をはっきり言い、行動するアメリカの学生たち

 アメリカの学校は制服もなく日本よりも自由な雰囲気があります。ただし、学校区としての決まり事、特にモラルに関してモニタリング(把握できる環境)が整っているので、生徒間のいじめなどは少ないようです。また、生徒が先生から教えてもらうことが第一となっている日本の学校に比べ、アメリカの学校では、生徒が自分の意見を躊躇(ちゅうちょ)なくはっきり表現すること、結果はどうであれ、自分から能動的に動くことが多いようです。

 

 

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