「子どもを伸ばす言葉かけ」[学校では今]

新学期が始まりました。子どもたちは新しい環境で、さまざまな期待と不安を持ちながら、日々を過ごしているのではないかと思います。
このタイミングに、ぜひ子どもとの関わり方を振り返り、「子どものやる気を引き出し、子どもを伸ばす言葉かけ」について考えてみましょう。



否定語は使わない

新学期が始まると、新しく覚えなくてはならないことが増えます。それは新1年生だけでなく、どの学年にも言えることです。そうした環境は、子どもにとっては期待が膨らむと同時に、負担に感じる場合もあり、気持ちが前に向かないこともあるのではないかと思います。そんな時、大人はどのように子どもに関わっていけばよいのでしょうか。

ある中学校の先生は、「否定的な言葉はできるだけ使わない」とおっしゃっていました。
もちろん叱らなければいけないことはあります。命に関わるような事態などは、否定形を使うべき場面もあるでしょう。しかしできるだけ否定形は使わず、肯定的な言い方をするように努めていらっしゃるようでした。たとえば「ドアを開けっ放しにするな」を「ドアを閉めてね」と言い換えるだけで、子どもの受け止め方が大きく変わるようです。肯定的な言葉は子どもの意識を前向きにする効果があるのでしょう。



子ども自身が考えるように 促す言葉を

また、頭ごなしに命令したり指示したりしない、ということも心がけているそうです。子どもが一定の知識や技能を持っていて、自分自身で判断できることであれば、できるだけ子ども自身が主体的に考え、判断し、行動できるようにしてあげる工夫が必要です。子どもも自分の意志で行動したことには前向きになれると思います。

以前、小学校の校長先生から次のような質問をされました。

校長「保護者が子どもと一緒に家にいるとします。天気予報で雨が降りそうだと聞いたあと、子どもが外へ遊びにでかけようとしています。さてこんな時、保護者は子どもにどういう言葉をかけますか?」
私「『傘を持っていきなさい』ではないのですか?」
校長「もちろんそれでもよいのです。でも、たとえば『天気予報によると、このあと雨が降るらしいよ』と言い換えると、『それなら傘を持っていかなきゃ』と子ども自身が考え、自分で傘を持っていこうと行動します。ちょっとした言葉の違いですが、その言葉一つで受身の行動になるか、主体的な行動をとるか、大きく変わるんですね」

日頃、お子さまにどういう言葉をかけていますか?
否定的な言葉をたくさん使っていませんか? 命令口調になっていませんか?
新学期になった今こそ、保護者自身の言葉の使い方を変えてみましょう。もしかしたら、保護者自身の気持ちも前向きになるかもしれません。


プロフィール


小泉和義

ベネッセ教育総合研究所 主任研究員。全国の小学校、中学校、高等学校などの現場を取材し、子どもたちの実態や学校での指導課題を踏まえ、「今」と「これから」の教育に必要なことは何かを発信し続けている。

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