「サイバー補導」って何? ネット絡みで439人補導

スマートフォン(多機能携帯電話、スマホ)などの普及により、インターネットを通じて子どもが性犯罪被害に遭うケースが増加しています。これに対して警察は現在、「サイバー補導」という対策を導入しており、警察庁のまとめによると2014(平成26)年中に439人の子ども(18歳未満)が実際に補導されました。サイバー補導とは、どんなものなのでしょうか。

ネットに起因する性犯罪被害の場合、加害者などと具体的に会う以前のやり取りがすべてネット上で行われるため、警察が行ってきた「街頭補導」など、従来の対策では犯罪を防止することが困難でした。このため導入したのが「サイバー補導」です。いわゆる援助交際などを示唆するような、子どもによるネット上の書き込みを発見して、関心を持ったように装った警察官が書き込みやメールを送り、実際に現れた子どもを補導するというものです。2013(同25)年4月からの試行を経て、同年10月から全国の警察で実施されています。

警察庁のまとめによると、2014(同26)年中にサイバー補導により保護された439人に、試行中だった13(同25)年の補導者158人を加えると、補導者は2年間で合計597人となり、そのうち572人(95.8%)が女子でした。597人の内訳は、中学生が78人(うち男子6人)、高校生が406人(同17人)、専門学生が7人、有職少年が11人(同1人)、無職少年が95人(同1人)。目的別では「援助交際等」が366人(同24人)、「下着売買」が223人(同1人)、両方が8人となっています。

サイバー補導で保護された子どもたちの特徴の一つは、それまで補導・非行歴がない子どもたちが多いということです。補導・非行歴のない子どもたちの割合は、「援助交際等」が54.6%、「下着売買」が70.0%、全体で60.8%となっています。補導・非行に関係ないごく普通の子どもたちが、軽い気持ちで下着売買などの書き込みをネットで行っていることがうかがえます。

補導された子どもたちの使用した機器は、スマホが97%を占めています。また、いわゆる「出会い系サイト」の利用は5.0%のみで、LINE(ライン)など、無料通話アプリのIDを交換する一般のコミュニティーサイトが77.1%、ツイッターなどのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)が17.9%でした。書き込みは、早朝や日中などに行われているケースも多く、危険な書き込みが、時間帯に関係なく行われていることが推察されます。警察庁ではスマホの普及などにより、「保護者の知らないうちに児童が援助交際等の書き込みなどをしている」と説明しています。

このほか、警察官がメールや書き込みを送ったものの、実際に子ども本人と接触できなかったというケースは2年間で1万1,955件に上っており、現実に補導された子どもたちは、氷山の一角にすぎないようです。教育関係者や保護者は、軽い気持ちでの書き込みなどが犯罪被害などの大きな危険を招く可能性があることを、子どもたちにしっかりと理解させておくことが必要でしょう。


プロフィール

斎藤剛史

斎藤剛史

1958年茨城県生まれ。法政大学法学部卒。日本教育新聞社に入社、教育行政取材班チーフ、「週刊教育資料」編集部長などを経て、1998年よりフリー。現在、「内外教育」(時事通信社)、「月刊高校教育」(学事出版)など教育雑誌を中心に取材・執筆活動中。

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