子どもにこづかいを渡すことで進学資金を貯めるからくりとは?
子どもが高校生になってから大学進学を意識し、貯蓄をスタートさせたがなかなか貯めることができない……。そんな悩みを持つ保護者に、自身も3人の子を持ち、ファイナンシャルプランナーとして保護者向け進学費用セミナーを開催する菅原直子氏が、アドバイスする。
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子どもが高校生になってからでは、大学進学に向けた貯蓄の時間はほとんどないといえます。とはいえ、奨学金や教育ローンを利用するにしても、将来の返済はそれなりに重くのしかかります。日本学生支援機構の奨学金を月額3万円、4年間借りた場合の貸与合計は144万円。金利が上限の3%の場合の利息総額は約32万円で、約176万円を返済することになります。月額5万円なら、同条件で総返済額は約302万円です。将来の返済額を増やさないためにも、借りる金額は、本当に必要とする金額にとどめ、安心のために多めに借りることは避けましょう。
奨学金や教育ローンで借りる金額を減らすためには、学費を払う時期までに、少しでも貯蓄を増やすことです。今回の相談者に収入と支出について伺ったところ、子どものこづかいがゼロとのこと。しかし、子どもが自由に使えるお金は月決めで渡していないものの、実際は、美容院、ネイル、学校帰りにコンビニで買う飲み物代まで家計費から出していました。
相談者の今の優先事項は、将来の借金を増やさないこと。まず、「いつまでにいくら貯める」という目標を立て、毎月の貯蓄額を割り出します。これは「必要なもの」です。 収入の中からまず貯蓄をし、残りの金額の範囲で、食費や光熱費などの基本生活費や家族それぞれのこづかい額を割り振ります。
子どもに日々の「欲しいもの」を与えるのではなく、ある程度のこづかいを渡すにとどめ、それ以上は払わないようにしましょう。そうすれば、少しずつでも貯蓄を増やすことが可能になります。
出典:子どもにこづかいを渡すほうが、進学資金は貯めやすい -ベネッセ教育情報サイト