まるで次世代エネルギーの先進都市!薩摩川内市がアツい
ニュースなどで次世代エネルギーについて聞くことが多いと思います。環境問題や化石燃料の枯渇が問題とされる今、自然由来かつ短期間で再生可能なエネルギーによるインフラの整備が急務です。石炭で113年後、天然ガスで55年後、石油で53年後…近い将来、自分たちの生活に必要なエネルギーがなくなるかもしれないなんて、これからどうなるのか、気になりますよね。九州のとある都市でその答えがみつかるかもしれません。
次世代エネルギー都市、鹿児島県薩摩川内市
鹿児島県薩摩川内市は、世界を先駆ける次世代エネルギー都市といえます。太陽光発電所だけで11か所、風力発電所も2か所あり、建設中の水力、バイオマス発電所まで控えているほどに再生可能エネルギーの利用が進んでいるのです。中でも先進的な試みを三つ紹介します。
次世代型スマートハウス
スマートハウスというのは住宅内の電力消費状況を管理し、効率的な電力利用を行う家のことです。電力は主に、昼間太陽光パネルで発電し、余剰電力は電池に蓄えて夜間などに使用したり、電力会社に売ったりできます。電力消費状況はいつでも制御モニターで確認することができ、他のスマートハウスと連携することができれば、お互いに電力を補いあうことも可能です。薩摩川内市では、市が建てたモデルハウスを体感できるだけでなく、市民フォーラムやイベントといった活動の場として広く開放しています。
スマートグリッド実験施設
スマートグリッドは再生可能エネルギーの有効利用には欠かせない技術です。現在主流の50万kWの火力発電所や89万kWの原子力発電所に比べると、太陽光などの再生可能エネルギー発電所は大きいものでも約3000kWと300倍近く発電量に差があります。そこで、無駄の多い一方的な発電所からの電力供給ではなく、配電方法を見なおして、効率的に電力を供給する電力網・スマートグリッドが必要とされています。これは発電設備から末端の電力機器にまで搭載した電力制御コンピューターをネットワークでつなぎ、自律分散的な制御を行う、新しい電力網の制御方式です。それぞれの家庭や施設がもつ発電機や電子機器を電力制御コンピューターでつなぐことで、需要に応じて相互に補い合うことができるようになります。同市ではこの実験施設が設けられており、日々未来の電力網の実現に向けて実験が行われているそうです。
バスでまわる次世代エネルギーコース
次世代エネルギー施設や建設予定地をまわるバス旅が毎月第4土曜日に開催されています。2コースに分かれており、午前中は市内最大の太陽光発電プラントや広大な風力発電所だけでなく、全国初の大型電気路線バスを見学することができ、午後はスマートハウスや2箇所の太陽光発電所、国内最大のらせん水車を備える水力発電所を見学することができます。鹿児島の豊かな自然と、その中に共生するエネルギープラントの姿を思う存分堪能できるステキなバス旅です。
エネルギー資源は限りあるものです。かといってエネルギーを作り出すたびに自然を破壊していては、結果として人間の住める場所を狭めていくことにつながってしまいます。鹿児島県薩摩川内市の取り組みは、自然と調和して暮らす、明るい都市のあり方を感じさせてくれますね。
参考:BPエネルギー統計レポート2014年版
薩摩川内市 次世代エネルギーウェブサイト(http://jisedai-energy-satsumasendai.jp/)