「忸怩たる思いだ!」は伝わらない!? ~高校生の「ことば」事情 前編~
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今の高校生はどんな言葉がわかって、どんな言葉がわからないのでしょうか。2014年度第1回『語彙・読解力検定』3級の結果から見てみました。3級は、高校1・2年生が多く受検している、中学卒業レベルです。

「頭を冷やせ!」は伝わる。「忸怩たる思いだ!」は伝わらない!?
「辞書語彙」は、文章や会話を理解し、的確に表現するために必要不可欠な、社会生活で広く使用される語句の知識と、語彙の運用力を問う問題です。
この結果によると、BEST10にある語彙は、日常生活やマンガなど高校生の生活圏内で多く使用されるものが多く、こういった語彙は理解できているようです。
一方WORST10では、「忸怩(じくじ)」「仕儀(しぎ)」「やぶさかでない」など、目上の人と話す、意識的に、ちょっと背伸びした内容の小説や新書などを読んだ経験がなければ出合わない言葉は、理解できていないようです。
高校の先生から寄せられた、高校生の言葉の勘違い事情
ここで、高校の先生から寄せられた高校生の語彙にまつわる実際にあったエピソードを紹介します。
・【八方美人】を、どこから見てもきれいな人と思っていた。
・【天王山】を、富士山やエベレストのような山だと思っていた。
・【気の置けない人】の意味を取り違え、「気の置ける看護師になりたい」と志望理由に書いていた。
・【断行する】を、断わることだと理解していた。
・「明日、【寒波】がくるから風邪をひくなよ」と言ったら、「カンパ」はお金を集めることだと思っていた。
・「【真摯】に受け止めなさい」と言うと、「女子はどうしたらいいの?」と言われた。
・生徒を校内放送で呼び出した際、遅れて登場したため、 「どこで【油を売って】いたのだ」と言うと、 「油など売るはずないじゃないですか」と真剣な顔で返された。
あなたのお子さまはいかがですか? 普段から、言葉にも目を向けるようにすることが大事だとおわかりいただけるかと思います。
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