主体性を育む「仮決め」とは? 子どもが伸びる5つのヒント
ますます大きな変化が予想される21世紀。この時代を中心となって担う子どもたちに必要なのは、「主体性」だとされるが、家庭ではこの主体性をどう育てればいいのだろうか? ベネッセ教育総合研究所(以下ベネッセ教育総研)・情報編集室長の小泉和義氏の講演から、教育ジャーナリストの渡辺敦司氏がヒントを探る。
***
ベネッセ教育総研・小泉情報編集室長の講演は、子どもに自ら学ぶ力を身に付けさせることを目指した「クラスベネッセ」のオープニングイベントで行われました。小泉氏は、子どもの「自信」が「積極性」を生み、それが「成果」につながることでさらなる自信を生むという「成功のトライアングル」を紹介。主体性に不可欠な「自立」にもつながるこの好循環をもたらすため、「子どもが伸びる5つのヒント」を示しました。
1)「仮決め」する
2)考える習慣を付ける
3)ほめる、はげます
4)「学び方」を身に付ける
5)「遊び」の奨励
「仮決め」とは、自分が何をしたいか自己決定する機会を作ること。必ずしも最善の決定である必要はありませんが、「決めたら続ける」ことが重要。「目標」を持ち、「自分事」として行動することが、「進化(変化や成長)」の材料になるのです。保護者は日常会話の中で、なぜ毎日学校へ行くのか、なぜ高校に合格したいのかなどと問い掛けることが大切だと小泉氏は強調します。常に「原因」と「解決策」を探す習慣を付けさせることが、未来に向けた思考力につながるといいます。
「学び方」を身に付けさせるには、机の上から勉強と関係ないものを整理し、勉強に集中する環境を作る「片づけ作戦」が第一歩になるそうです。「遊び」の奨励は、何かに集中する体験を積ませることが狙い。好きで熱中することがある子どもほど成績も高くなることが、ベネッセ教育総研の調査からもわかっています。子どもが主体的に「やりたい」という思うきっかけを作ることが、大人の役割なのでしょう。
出典:22世紀まで生きる今の子どもに不可欠なのは「主体性」【後編】力を付けるヒントは家庭にもある -ベネッセ教育情報サイト