大学入試も変える「高大接続改革」答申の内容とは?
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中央教育審議会が「高大接続改革」について下村博文文部科学相に答申した。その内容をみると、「高校教育」と「大学教育」を変えるために「大学入学者選抜」も一体的に改革するという論理構成が採られており、すでに大学教育には変化が見えている。教育ジャーナリストの渡辺敦司氏が解説する。
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文部科学省公表の、2012(平成24)年度「大学における教育内容等の改革状況」によると、「コミュニケーション能力、課題発見・解決能力、論理的思考力等の能力の育成を目的とした授業科目を開設している大学数」は全体の76%に当たる566大学で、前年度に比べ38大学増加。「獲得した知識などを新たな課題に適用し課題を解決する能力の調査・測定を実施している大学数」はまだ少数ですが、前年度の83大学から110大学へと3桁台になりました。
こうした多様な授業などに対応して、学生が自主的に集まってグループワークをしたり、個人で自習したりする「ラーニング・コモンズ」と呼ばれるスペースを図書館などに整備している大学は、42%に当たる321大学と急速に増えています。これは2年前の調査なので、現在は実施大学がもっと増えているでしょう。というのも、こうした能力の育成が新たな時代の大学の役割として、企業など社会から求められているからです。
今回の「高大接続改革」に積極的な中教審の安西会長は、元慶応義塾長(慶応大学長)。トップクラス大学の代表として、旧態依然とした大学教育に危機感を持っていました。今回の答申で、1点刻みの大学入試を改めるといった大胆な提言に踏み切ったのも、大学教育を早急に転換するためには高校教育も変えなければならず、高校教育が変わるのに障壁となっている大学入試も変えよう、という考えからです。答申を受けて、大学の教育もさらに「質的転換」が加速することでしょう。受験生もそうした覚悟で、大学を志望しなければならない時代になっています。
出典:大学教育の改革、入試改革より早く進む? -ベネッセ教育情報サイト
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