小学校4~6年生向け:自主的な学び~学習意欲を育てるには

 ベネッセ教育総合研究所では2014年2月~3月に、全国の小学4年生~中学2年生の子どもとその保護者を対象に、『小中学生の学びに関する実態調査』(以下、学び調査)を実施しました。

この記事では、小学校4~6年生にあたるお子さまを持つ保護者に向け、子どもの自主的な学びと親の関わり方について、ベネッセ教育総合研究所初等中等教育研究室顧問・八木義弘先生が解説します。

 


苦手な教科に、親はどう関わるか

 4年生ぐらいになると、どうしても苦手な教科に対する取り組み方が問われます。たとえば算数なら、4年生あたりから関係概念などが出てくるので、苦手意識を持つ子どもも増えてきます。そんな時、親は「あなたは○○が苦手だね」という指摘をしてはいけません。誰にでも得意、不得意はありますが、家族からそれを繰り返し言われてしまうと「やっぱりそうなのか」と、子どもは強く意識してしまいます。また、子どもはペーパーテストの点数が悪いと、「苦手だ」と思い込んでしまいます。しかし小学校のテストは基礎的な知識や技能を問う問題が多いはずです。本人が苦手だと思ってしまう前に、なるべく早く勉強を見てあげるようにしてください。

 

同じように、子どもの勉強について、周りの子と比べて指摘するというのも、意欲を摘み取りかねません。保護者同士が情報交換して「○○ちゃんはこういうこともできる。うちの子もそろそろできるかな」と感じることは、必要だと思います。しかし、子どもに直接「○○ちゃんができるんだから、あなたもできなきゃだめ」と言ってしまうのは、励ましではなく、劣等感や反発心を育ててしまい、好ましいことではありません。

 

とはいえ、高学年になったら間違いを指摘することも必要です。その際はミスを責めるのではなく、どうすれば正解にたどり着けるかを一緒に考えてあげるよう心がけてください。

 

 

勉強に限らず、子どもの質問に向き合う

 さらに、勉強に限らず、子どもの質問に向き合うことが、子どもの学習意欲を育てます。親がすべて即答できる必要はありませんので、親がわからないからといって「わからない」「自分で勉強しなさい」「友達や先生に聞きなさい」と突き放してしまうのではなく、共に学ぶ姿勢で対応することがよいでしょう。学び調査では、小学4〜6年生の82.5%が「勉強方法を教えてくれた人はお母さん」と答えています。中学生になると「学校の先生」が61.7%で最多になりますが、それでも「お母さん」は0.1%差で2番目に多いです。やはり、家庭で一緒に過ごす時間が多い母親の影響は、大きいようです。

 

最後に、親子で「文で話す」ということも意識してほしいと思います。単語だけのやりとりをしている家庭よりも、短くてもきちんと主語、述語のある文章で会話をしている家庭のほうが、論理的な思考力を伸ばしやすいです。

 

 

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