子どもに対し、イライラして怒鳴ってしまいます【後編】[教えて!親野先生]
- 教育
いい親子関係をつくってきたのか?
愛情と信頼にあふれた人間関係をつくってきたのか?
それらのすべてがあらわになる時が、人生の中で必ずやってくるのです。
自分がまいた種を刈り取る時が必ずやってくるのです。
その時、そらさんには、私と同じつらく悲しい状況にならないでほしいと、心から願っています。
なぜかというと……。
私の経験は教師と子どもの関係です。
せいぜい1年か2年の関係です。
でも、これが親と子どもだったらどうでしょう?
まさに、一生に渡る関係なのです。
そして、一度壊れた信頼関係を取り戻すのは、本当に本当に難しいのです。
ところで、私は、先ほど「なぜ、変えられないかというと、それは本当に心からわかっていないからなのです。その行為のもたらす結果がどのようなものか、それがはっきりわかっていないからできないのです」と書きました。
私の場合は、子どもたちから完全なノーを突きつけられて初めてわかりました。
つまり、結果が表れてからわかったのです。
でも、そらさんのような親子関係の場合、結果が表れてからわかるのでは、あまりにも遅すぎです。
それを、防ぐための方法が一つだけあります。
つまり、結果が表れる前にわかる方法が一つだけあるのです。
それは、想像することです。
想像力は、あらゆる生き物の中で唯一人間だけに備わった能力です。
物事の結果を想像して行動することこそ、人間の人間たるゆえんです。
それが賢さというものなのです。
この想像力を使って、今やっていることの結果をはっきり想像してください。
私は、本当にそれをはっきり思い浮かべてほしいと思います。
今やっていることの結果は必ず自分に返ってきます。
それをはっきり想像してください。
結果に直面しなければ100%はわからなくても、想像力で95%はわかるということがあると思います。
今のそらさんのわかり方が50%だとしたら、それを想像力で限りなく100%に近付けてください。
もちろん、この他にもやってほしいことはいろいろあります。
自分のストレスを解消する、ママ達とおしゃべりする、カウンセラーに聞いてもらう、子どもと離れる時間を持つ、自分自身の楽しみや生きがいを持つ、一人だけで子育てを背負い込まない、子育ての助っ人を確保する、毎日子どもの寝顔を見て子育ての初心に返る、もっと小さい頃の写真を見て初心に返る、自分の気分に気付くようにする、怒りそうになったら子どもから離れる、深呼吸する、呼吸を意識して吸う息と吐く息を3倍の長さにする、などなどです。
これらもぜひやってください。
でも、それらのすべての土台として、自分を変えるという一大決心をしてください。
もうイライラして叱りつけたり怒鳴りつけたりしない、という一大決心をしてください。
そのために必要なのが、結果をはっきり想像するということです。
本当の結果に直面してわかる前に、想像力でわかってください。
本当の結果に直面して嘆く前に、自分を変えてください。
私ができる範囲で、精いっぱい提案させていただきました。
少しでもご参考になれば幸いです。
そらさん親子に幸多かれとお祈り申し上げます。
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プロフィール
- 親野智可等
- 教育評論家。23年間の教員生活のなかで、親が子どもに与える影響力の大きさを痛感。その経験をメールマガジンなど、メディアで発表。全国の小学校や、幼稚園・保育園などからの講演に引っ張りだこの日々。