所変われば育て方も変わる? 発見! 世界の子育て 海外「ママ友」事情(2)~子どもをとおした「ママ友」の作り方

楽しいことも、悩みや気がかりも多い「子育て」「教育」。このコーナーでは、日本とはちょっと違う、ほかの国の子育て事情をご紹介します。さまざまな方法や考え方を知ることで、子育てに対しての気持ちが少し楽になったり、自分に合った方法にアレンジしたり……。
日本の、そしてご自身の子育て・教育を見つめ直してみませんか。

今回は特に、園や小学校でのママ友作りや付き合い方について、イギリス・ロンドンに住む小学生のお子さんを持つ友人たちに話を聞きました。ちなみに、皆さん、日本人学校ではなく、地元の小学校にお子さんを通わせているので、日本人以外のママ友についてのお話を中心に聞いてみました。

まず、ママ友作りについて。イギリスでは「プレイデート」という子ども同士の遊び方があります。大勢ではなくて1人のお友達と約束して、基本的にどちらかのお家に行き、2人で遊ぶという遊び方。子どもが小さいうちは心配なのでお母さんも一緒についてくるそうで、子どもたちが遊んでいる間、母親同士はお茶しながらおしゃべり。そういうことが何度か続くうちに、親同士も友達になることが多いそうです。

でも、話してみて相性が合わない相手の場合は大変そうですね。そこで友人に聞いてみると、やはりそういうことはあるそうで、趣味など共通の話題がある人、価値観・感覚の合う人とは友達になるそうです。

では、相性が合わない相手とはどうするかというと、あまり深く付き合わないとのこと。とはいえ、日本であれば、無視するようで相手に気を使ってしまいそうですが、イギリスでは良くも悪くも周りをあまり気にしない人が多く、お互い気にならないとのこと。みんな一緒じゃなくてもよいし、私は私、と割り切っている感じに見えて、付き合うのが楽だそうです。

それはどうしてだろう?と友人に聞いてみると、日本よりもいろいろな面でおおらかなのかも、とのこと。どういうことかというと、たとえば、イギリスでは家の修理などをお願いしても、予定の時間はおろか予定の日に来ないなんてこともザラ。人との付き合い方も、良く言えばおおらか、悪く言えば日本と比べるとちょっといい加減な部分も許されているように感じるそうです。

また、そもそもイギリス、特にロンドンは、世界各国からの移民が多く暮らす多文化都市。相性が合う・合わない以前に、お互い違っていて当たり前という気持ちが強いのかもしれませんね。日本はイギリスほど多文化な社会ではないため、「みんな同じ」であることを無意識に求めてしまう部分があるのかもしれません。でも、人それぞれに家庭の状況や感じ方・考え方など違うもの。そういう感覚を意識的に持って付き合うことができたなら、お互いの距離感のとり方も変わり、ママ友同士のトラブルも減っていくのかもしれませんね。

プロフィール



大学卒業後、約25年間、(株)ベネッセコーポレーションに勤務。ベネッセ教育研究開発センター(現・ベネッセ教育総合研究所)で子育て・教育に関する調査研究等を担当し、2012(平成24)年12月退職。現在は夫、娘と3人でロンドン在住。

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