急増! 子どもが保護者のクレジットカードで勝手に決済するトラブル

携帯電話やスマートフォンでネットを利用して遊ぶオンラインゲームは、大人にも子どもにも急速に広まっています。
各地の消費生活センターでは、子どもが親のクレジットカードを勝手に使用し、オンラインゲームのアイテムを購入したり、ソフトのダウンロードをしたりして、多額の料金を請求されているという相談が多数寄せられています。

急増! 子どもが保護者のクレジットカードで勝手に決済するトラブル


小学生が親のクレジットカードを利用した例

【事例】小学5年生の男の子。携帯型ゲーム機のソフトのダウンロードの決済のために親の財布にあったクレジットカード番号を入力した。クレジットカードの請求書にゲーム会社名で3件の請求があり、親が不審に思って子どもに確認して発覚した。


一度番号を入力すれば、それ以降は入力する必要がなく決済ができるケースもあり、被害額が高額になる場合もあります。
小学校高学年になれば、画面に表示されている文言の意味は、ほぼ大人と同じように理解ができます。反面、そのことがどのような結果を生むのかという想像力はまだまだ未熟です。
【事例】のような場合、親が責任を持って支払わなくてはならないのでしょうか。それとも「子どもがやったこと」として支払わなくてもよいのでしょうか。

この場合、「子どもがやった」ことを証明する必要がありますが、法律上「未成年者取消」(民法第5条 第2項)を主張して支払いを免れられる可能性はあります。一方、親がカードの管理責任を問われて「未成年者取消」が認められない可能性もあります。消費生活センターや法律相談などを利用するのが良いでしょう。
ただ、法律的にどうか、返金してもらえるかどうかという問題とは別に、親はまず自分のクレジットカードを簡単に子どもの手が届くところに保管しておかないことが重要です。

重要性がわからなかったとはいえ、親の財布からクレジットカードを抜き取ることが悪いことだという自覚はあるはずです。行動の裏には、何かしらの理由があると思います。頭ごなしに叱るのではなく、きちんと話し合ってください。
【事例】のような事が起こった場合には、子どもに、(1)財布からクレジットカードを抜き取ることはお金を抜きとることと同じだということ、(2)カード番号を入力することはお金を支払うことと同じであること、をしっかり教えるチャンスと考えましょう。
子どものまわりには、「目に見えないお金」がたくさんあることは以前に『「目に見えないお金」のつきあい方を教える』で、お話ししました。クレジットカードもその一つです。

大人もお金を使う実感を持ちにくい時代になっています。だからこそ子どものうちにお金の意味を教える必要があります。



「未成年者取消」とはどんな法律か

ここで、「未成年者取消」についても簡単に説明しておきます。未成年者は成年者と比べて知識や経験がなく、判断能力も未熟です。

民法では、
1.契約時の年齢が20歳未満で、結婚していない。
2.法定代理人(多くの場合は両親)が同意していない。
3.法定代理人から、処分を許された財産(小遣い)の範囲内でない。
4.未成年者が詐術(自分で成年だと嘘を言うこと)を用いていない。

などの条件がそろえば、未成年者が行った契約を取り消すことができると定められています。

たとえば、19歳の大学生がアルバイト代を頭金にしてバイクの購入の契約をしてきたような場合、本人は購入の意思があったとしても両親が了承しなければ、両親のどちらかが契約を取り消すことが可能です。
キャッチセールスなどで、子どもが意に沿わない契約をしてしまった時にも「未成年者取消」を利用できますので覚えておくと良いでしょう。


プロフィール

宮里惠子

宮里惠子

ファイナンシャル・プランナー、消費生活アドバイザー。生命保険をはじめ、教育費関連や住宅ローンについて雑誌・新聞・Webで執筆。地域に根をはるFPを目指して、横浜市北部エリアで活動している。若い世代に対する消費者教育の必要性を強く感じている。

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