「みんな仲良く」と言わないで! 子どもに伝えたい嫌いな相手との付き合い方
- 育児・子育て
歌や学校の目標でよく出てくる「みんな仲良く」という言葉。でも、この言葉を意識するあまりに、ストレスを感じたり人間関係がこじれてしまったりすることもありますよね。嫌いな相手とはどう付き合っていけばよいのか、考えてみましょう。
嫌いな人がいたっていい! その「気持ち」にウソはつかせないで
「友達いっぱい」「みんな仲良く」。昔から言われている言葉です。では、嫌いな人がいるのはいけないことなのでしょうか? そうではありませんよね。大人だって、嫌いな人や苦手な人がいます。子どももそう。一人ひとり違う人間なのですから、合わない人がいるのは当然です。
もしお子さまが人間関係で悩んでいるのであれば、「嫌いな人がいてもいいんだよ」と伝えてあげてください。「嫌いなんて言わないで」「みんな仲良くしよう」と言うのは子どもの気持ちを否定しているのと同じ。そうではなく、「そうなんだね」「その子が嫌なんだね」と気持ちを受け止めてあげましょう。気持ちにウソをつくのはつらいことですから。
気持ちと行動は別に考えることが大事
「嫌い」の気持ちにウソをつく必要はありません。でも、それを行動に移すのは別問題。これは、大人も子どもも同じです。嫌いな相手とはどう付き合っていけばよいか、具体的に見ていきましょう。
・嫌いでも無視したりイジメたりしてはいけない
嫌いな相手であっても、最低限の付き合いはしなくてはなりません。仲良くする必要はありませんが、相手を傷付ける行動は避けてください。「挨拶をしない」「無視をする」「イジメる」「必要な連絡をしない」などは、たとえ嫌いな相手であってもしてはいけないことです。
もちろん、嫌いな相手とも関わらなくてはならないので、ちょっと我慢する必要はあります。でも、「仲良くしなさい」と言っているわけではありません。気持ちと行動は別にして、相手が困らないように意識してみましょう。
・「嫌い」という気持ちを相手に伝えてよいわけではない
誰だって、自分のことを「嫌い」と言われたら傷付きます。言ってよいことと悪いことは、相手を嫌いかどうかで判断するものではありません。同じことを好きな相手にも言えるかどうかを基準に考えましょう。
ただし、嫌いな行動に対しては伝えてもOK。「ちょっかいを出してくるのをやめてほしい」「怒鳴られるのは嫌」などです。相手との関係性にもよりますが、自分を守るためには嫌なことを嫌だと伝えられるようにするとよいですね。もちろん、危害を加えてくる相手に対しては大人のサポートが必要な場合もあります。
・嫌いな理由を考えてみることも大事
生理的に無理という相手ももちろんいるでしょう。ただ、中にはその人の行動が原因で嫌いになっていることもあります。もしお子さまに嫌いな人がいるなら、「どうして嫌いになったの?」と聞いてみてください。もしかすると、たった一つの行動だけが嫌いな可能性もあります。それなら、その行動を伝えて解決していく方法もあるでしょう。相手のことを嫌いにならずに済むなら、それが一番ですよね。
「嫌い」は個人の感情! 周りの人を巻き込まないで
もう一つ大事なのは、他の人に自分と同じ「嫌い」を押し付けないことです。「あの人嫌だよね」「あなたもそうだよね」と周りを巻き込んでいった先がイジメです。これは避けなければなりません。
「嫌い」の感情は、あくまで個人のものです。他の人はそう思っていないかもしれません。逆に、その人を好きかもしれません。一人ひとり違う人間ですから、好みも違います。「嫌い」の気持ちは持ってもよいですが、他の人は違うということを忘れないでください。これは、大人にも言えること。自分の価値観や考えを、周りの人や子どもに押し付けるのはやめましょう。
まとめ & 実践 TIPS
「嫌いな人がいる」ことは、悪く思わなくて大丈夫。それは人間として当たり前のことです。関わる人が多くなれば、好きな相手も増えるけれど、嫌いな相手も増えます。その時にどう行動すればよいかを知っていると、人間関係も上手に築いていけるはず。自分と、そして周りの人を守るために、嫌いな相手との付き合い方をちょっと考えてみてください。
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