通知表は作る義務もなく、公式記録でもないという事実

年末も近くなり、ご家庭によっては通知表を巡り、さまざまなドラマが繰り広げられている時期かもしれない。実はこの通知表、本来は各家庭に渡す義務がないものだということをご存じだろうか? 教育ジャーナリストの渡辺敦司氏に聞いた。

 

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通知表といえば、横浜市では記載ミス防止の観点から、教育委員会が保護者などの事前確認を小・中学校に求めました。しかし、報道されて批判を浴び、結局撤回したことがニュースになっていました。「成績を決めるものなのだから、しっかりしてほしい」と思ったかたもいらっしゃるのではないでしょうか。ただ、「成績を決める」ということには誤解があります。通知表とはどういうものか、一般にはあまり知られていないナゾがあるのです。

 

実は、通知表は作る必要がない……と言ったら驚かれるでしょうか。実際に作らない学校は、まずないと思います。ただ、通知表を作って渡すことが法律などで義務付けられているわけではありません。
学校に作成の義務があるのは「指導要録」です。指導要録は、児童・生徒の出席状況や成績、健康状態などを記載した、学校の公式記録です。単に記録し保存するだけでなく、転学や進学した学校にも抄本か写しを送ることが義務付けられています。何のために記録するかというと、外部に対して証明する際の原簿という役割と、加えて一番重要なのは、先生たちが以後その児童・生徒の指導に役立てるためです。

 

通知表は、原簿である指導要録を基に作成されます。指導要録が先生たちのためのものであるのに対して、通知表は先生の指導の一環として、児童・生徒の課題を本人や保護者に伝えることで、その後の勉強などをがんばってもらうためのものです。そのため、通知表の様式や伝え方も、各学校で工夫を凝らしています。
だから通知表の事前確認をした場合でも、評定に抗議をしたところで、くつがえることはありません。公式記録はあくまで指導要録だからです。

 

出典:通知表、意外と知られていない作成の《目的》 -ベネッセ教育情報サイト

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