新人教師の病気による退職理由 ほとんどが「精神疾患」

新人教師の病気による退職理由 ほとんどが「精神疾患」新入社員の早期離職が社会問題となる中、教育現場でも新採教員の依願退職が問題視されている。文部科学省の調査では、2010(平成22)年度に公立学校教員として新規採用された教員のうち、実に300人近くが1年以内に依願退職していることがわかっている。新採教員に、何が起こっているのか? 教育ジャーナリストの斎藤剛史氏が解説する。

 

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文部科学省の調査結果によると、公立学校(小・中・高・特別支援学校)に新規採用された教員2万5,743人のうち、288人が1年以内に依願退職しました。内訳を見ると、最も多い退職理由は「自己都合」で167人、次いで「病気」が101人、勤務成績などが悪く不採用になる前に退職した「不採用決定者」が20人でした。

 

新規採用教員全体から見れば、2010(平成22)年度の288人という数は、わずか1.1%にすぎません。この程度ならば問題はないという見方もできます。ところが、依願退職者のうち「病気」を理由に辞めた新採教員の数だけを見ると、04(平成16)年度61人、05(同17)年度65人、06(同18)年度84人、07(同19)年度103人、 08(同20)年度93人、09(同21)年度86人、10(同22)年度101人と、明らかに増加傾向を示しています。
このため文科省は、2009(平成21)年度調査から「病気」を理由とした者に対して、「精神疾患」の項目を追加しました。その結果「精神疾患」を理由に採用後1年以内に依願退職した新採教員は、09(平成21)年度が83人、10(同22)年度が91人であることがわかりました。「病気」を理由に依願退職した新採教員のほとんどが、「精神疾患」だったのです。

 

教育関係者の多くが理由として指摘するのが、子どもや保護者の多様化、予想以上の教員の多忙化などです。また、多忙化により、ベテランや中堅の教員が若手の面倒を見る余裕がなく、若手教員が孤立化していると懸念する声もあります。最近の若手教員はコミュニケーション能力などに欠けるという批判も、一部にあるようです。
いずれにしろ、教員採用の見直しと同時に、採用直後から、教員のメンタルヘルス(心の健康)対策が求められます。

 

出典:新人先生なぜ辞める……大半は「精神疾患」 -ベネッセ教育情報サイト

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